2011年1月11日火曜日

港区の絶品 スイーツ

 白金、青山、麻布……。美食レストランが密集するエリア、港区がスイーツの多様性、創造性、また伝統継承の面からも高い評価を得た。2位に倍の差を付け第1位に輝いた。
 
 港区の最優秀賞はラ・プレシューズ(東京・南麻布)。第1回「プリン」の回で同店「クレームキャラメル」が3つ星を獲得してから、「ミルフィーユ」と「ダックワーズ」で2つ星、同店の看板商品「和栗のモンブラン統継承の面からも高い評価を得た。2位に倍の差を付け第1位に輝いた。
 
 試食会のたび、スイーツのプロをもうならせる背景にあるのは同店の山川隆弘シェフの素材の審美眼と卓越した技術。モンブランのクリといった主役の選び方は当然のこと、牛乳、卵、小麦粉の基本の厳選がしっかりしているためどの商品も総じて評価が高い。「ミルフィーユのパイのサクサク感が長続きするように」といった計算された調理法も、人の五感を刺激する。
 
 和洋両方強いのも同区の特徴だ。「ティラミス」の回で、大人の街・六本木にあるパスティッェチリア イソオ、グランドハイアット東京 フィオレンティーナ ペストリーブティックの2店が挙がるなど、洋のイメージが先行しがちだが、和菓子が他の追随を許さない専門性を発揮している。まめ(東京・南青山)の「豆大福」、麻布かりんと(東京・麻布十番)の「ねぎ味噌かりんと」、天のや(東京・麻布十番)の「わらび餅」など固有の技術に裏付けされた和菓子がそろう。
 
 数世代、数十年かけて作られて伝統の味、技術を継承している店も多く、菓匠 菊家(東京・南青山)の「水羊羹」(夏季のみ)は1930年代の創業時から製法を変えていない。巴裡 小川軒「元祖レイズン・ウィッチ」も先代の味を息子たちが受け継いでいる。
 
 老舗和菓子店が軒を連ねる赤坂で、コンニャクパウダーを使用し保水力を高めたドーナツ店、ネイン(東京・赤坂)など新しい店が台頭していることも注目される。老舗の伝統と新感覚スイーツ、区内で食べ歩きも楽しそうだ。
(日経新聞)

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