2012年10月6日土曜日

新国立劇場でオペラ『ピーター・グライムズ』を堪能

平成24年10月5日(金)
18:30~21:35

新国立劇場で10月2日から上演されているオペラ『ピーター・グライムズ』の2回目の公演を観覧。
このオペラは、英国人ベンジャミン・ブリテン(1913-76)が31歳の時大成功した名作オペラ。
潮の香り、海とともに暮らす人々の生活が隅々にまで刻み込まれたオペラだ。
基本的な主題は、1つは「アウトサイダー」の存在・・・深い孤独や疎外感を抱えた人間が社会と対極のポジションにおかれる。自然界の原始的なエレメントの絡みにも似て、人々も、個人対集団、大衆対孤独な者といった原始的な争いにがんじがらめになっている。もう一つは、「罪に対する問いかけ」・・・人間はどこまで自分が犯した罪に対する責任を負うべきなのか。
ストーリーを追いながら自分なりに色々考えさせられるテーマだったと思う。
カヴァー歌手に、鷲尾麻衣がいるが残念ながら出演はせず。ピーター・グライムズ役のスチュアート・スケルトンやエレン・オーフォード役のスーザン・グリットン等の出来は素晴らしかったが、このオペラでは新国立劇場合唱団の活躍が目立った。本当に素晴らしい出来だった。この合唱団が無ければこのオペラは成り立たない。
流石、ウィリー・デッカーの演出。
最後は拍手が鳴り止まなかった。

新国立劇場開場15周年
2012/2013シーズンオープニング公演
《新制作》
ベンジャミン・ブリテン
ピーター・グライムズ
【全3幕/英語上演/字幕付】
Peter Grimes
BENJAMIN BRITTEN
新国立劇場 オペラパレス

指揮:リチャード・アームストロング
演出:ウィリー・デッカー

美術・衣裳:ジョン・マクファーレン
照明:デヴィッド・フィン
合唱指導:三澤洋史
音楽ヘッド:石坂宏
舞台監督:大澤裕

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:三浦章宏)

芸術監督:尾高忠明

ピーター・グライムズ(漁夫):スチュアート・スケルトン(テノール)
エレン・オーフォード(寡婦、村の女教師):スーザン・グリットン(ソプラノ)
バルストロード船長(退役船長):ジョナサン・サマーズ(バリトン)
*当初予定のピーター・シドムは足の怪我で降板
アーンティ(ボーア亭の女主人):キャサリン・ウィン=ロジャース(メゾソプラノ)
姪1(ボーア亭の看板娘):鵜木絵里(ソプラノ)・・・東京藝術大学大学院修了
姪2(ボーア亭の看板娘):平井香織(ソプラノ)・・・国立音楽大学大学院修了
ボブ・ボウルズ(漁夫、メソジフト教徒):糸賀修平(テノール)・・・武蔵野音楽大学大学院修了
*当初予定の高橋淳は降板
スワロー(判事):久保和範(バス・バリトン)・・・東京藝術大学大学院修了
エドリー夫人(東インド会社代理人、未亡人):加納悦子(メゾソプラノ)・・・東京藝術大学卒業
ホーレス・アダムス(牧師):望月哲也(テノール)・・・東京藝術大学大学院修了
ネット・キーン(薬剤師でやぶ医者):吉川健一(バリトン)・・・国立音楽大学大学院修了
ホブソン(運送屋):大澤健(バス)・・・日本大学卒業

カヴァー:
成田勝美(ピーター・クライムズ)・・・国立音楽大学卒業
大沼徹(バルストロード船長)・・・東海大学大学院修了
山下牧子(アーンティ)・・・東京藝術大学大学院修了
三宅理恵(姪1)・・・東京音楽大学大学院修了
鷲尾麻衣(姪2/エレン・オーフォード アンダースタディ)・・・東京藝術大学卒業
町英和(スワロー)・・・国立音楽大学大学院修了
与田朝子(セドリー夫人)・・・国立音楽大学卒業
村上公太(ホレース・アダムス)・・・東京音楽大学卒業
原田圭(ネッド・キーン)・・・東京藝術大学大学院博士後期課程修了
山下浩司(ホブソン)・・・国立音楽大学大学院修了

今日の昼食
東京女子大学の食堂で
Bランチ
鯖の塩焼き 450円
 

荻窪の天沼陸橋
遠くに東京スカイツリーが見えている
写真では分からないかな
 

今日の夕食
初台のオペラ通りにて
立ち食いソバ屋 加賀
注文を聞いてから揚げるかき揚げを乗せたそば
440円
 


近くの地下で
IRIS・・・水晶の虹 の公演案内
 

マクドナルドでコーヒーを飲んで
オペラの開場を待つ
 

オペラ『バラの騎士』の舞台装置
 


グルーブ座のミニチュア
 


新国立劇場
中劇場から入口を見る
 

勅使河原茜さんが活けた生け花
 


ピーター・グライムズのポスター
 

ピーター・グライムズの時間配分表
 

高橋淳さん降板のお知らせ
直前まで元気に稽古に参加していたのに
本当に残念無念だろう
 

客席からの眺め
 

ホワイエ
結構混んでいる
 

『ピーター・グライムズ』
あらすじ

プロローグーーー
時は1830年頃、イギリス東海岸の小さな漁村。検視審理公判が開かれる公会堂の一室で、ピーター・グライムズの名前が呼ばれる。疑惑と敵意に満ちた村の住民のまなざしの中、グライムズが登場し、徒弟の死亡事故に関する尋問が始まる。判事は、今後、少年を雇わないようにグライムズに忠告し、「不慮の事故」との裁定を下す。ひとり残ったグライムズにエレンは優しく声をかける。

第1幕ーーー
〔第1場〕浜辺に村の住民が集まっている。漁から戻ってきたグライムズが船を引き上げようとするが、誰も手伝おうとしない。薬屋のキーンがグライムズに、新たな徒弟を世話してやろうと持ちかける。住民たちは非難するが、エレンが孤児院に少年を引き取りに行くと申し出る。嵐が近づく。バルストロード船長とその場に残ったグライムズは、成功してエレンと結婚し、住民たちを見返してやりたいと語る。
〔第2場〕その晩、住民たちは嵐を避けて、「ボーア(いのしし)亭」に集まっている。そこに少年を引き取りにグライムズが現れ、一触即発の雰囲気となる。場を和ませるために、陽気な合唱が始まる。御者のホブソンとエレンが少年を連れて到着すると、グライムズは礼も言わずに、少年を小屋へと連れ帰る。

第2幕ーーー
〔第1場〕日曜日の朝、教会では礼拝が行われている。エレンは少年のからだに殴られた跡があるのを見つけ、不安を覚える。そこへグライムズが登場する。エレンが問いつめると、グライムズが逆上してエレンを殴り、少年を連れて立ち去る。騒ぎを聞きつけた住民たちは少年の身を案じ、隊列を組んでグライムズの小屋に向かう。
〔第2場〕グライムズと少年が小屋に戻る。そこで男たちの行進の音が聞こえてくる。グライムズは少年に漁の支度をさせ、小屋の裏手から崖を下って海岸に降りるよう激しく追い立てる。少年は足を滑らして、崖下へ落ちてしまう。男たちが到着したときには、すでに二人の姿はなく、怪しげなところもない。ただひとりバルストロード船長だけが崖を見下ろし、不吉な結末を察知する。

第3幕ーーー
〔第1場〕数日後の晩、人々はダンス・パーティに興じている。エレンは少年のセーターを崖の下で見つけたことをバルストロード船長に打ち明ける。船は戻っているが、グライムズの姿は見あたらない。ふたりの会話を立ち聞きしていたセドリー夫人が、グライムズの船が戻ったことを人びとに知らせる。疑いを強めた住人たちは、人殺しの償いをさせていやると、グライムズの名前をヒステリックに叫びながら、捜索を始める。
〔第2場〕夜の海辺、遠くから霧笛の音とグライムズを捜す住民たちの叫び声が聞こえる。グライムズの精神は錯乱している。エレンとバルストロード船長がグライムズを見つける。バルストロード船長に沖合に出て船を沈めるようにうながされ、茫然自失のグライムズは船を出す。夜が明ける。沖合には船が沈んでいるのが見えるが、まるで何事もなかったかのように、村の一日が再び始まる。

新国立劇場合唱団
ソプラノ:
岩本麻里 岩本留美 金子寿栄  黒澤明子 小林多磨美 佐藤路子 前川則子 三浦志保
龍三佳代 渡邉早貴子 石田亜希子 岩瀬舞音 山田育子
アルト:
熊井千春 小林昌代 四家緑 鈴木涼子 長澤美希 中道ゆう子 長谷川光栄 前田祐佳
吉田理絵 鎌田雅子 清水芳子 松浦麗 横町あゆみ
テノール:
梅原光洋 大久保憲 嘉松芳樹 小田修一 二階谷洋介 松木秀雄 半田爾 丸山哲弘
渡辺文智 阿瀬見貴光 大木太郎 木幡雅志 東海林尚文 竹内公一 那知上晃 山原卓実
バス:
大森いちえい 川村章仁 黒田諭 佐藤勝司 タン・ジュンボ 照屋睦 徳吉博之 細岡雅哉
宮本俊一 青鹿博史 大野隆 木谷圭嗣 塩入功司 千葉裕一 浜田広志 龍進一郎

助演:
聖歌隊指揮者:Tack Nemont
クラブ博士:瀬野雅彦

猪ヶ倉光志 折原右京 軽石翔司 清水まさし 杉山明徳 鈴木一史 須貝政貴 伏見雅俊

子役
ジョン:高橋洸翔

須貝ののか 木戸一徳t-マス

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