2011年3月15日火曜日

劇団東京ヴォードヴィルショー第65回公演 紀伊國屋提携 「アパッチ砦の攻防」

劇団東京ヴォードヴィルショー第65回公演
紀伊國屋書店提携
「アパッチ砦の攻防」
 
2011年9月23日(金・祝)→28日(水)
新宿 紀伊國屋ホール
 
作:三谷幸喜
演出:永井寛孝(テアトルエコー)

出演:
佐藤B作
佐藤稔
市川勇
たかはし等
大森ヒロシ
あめくみちこ
山本ふじこ
市瀬理都子
フジワラマドカ
金澤貴子

客演:
角野卓造
斉藤清六
沖直未
小林美江

 「アパッチ砦の攻防」は、実に幸せな作品です。そもそもは佐藤B作さんから、「思いっきり笑える芝居を書いてくれ」と頼まれたのが執筆のきっかけです。今から十五年前のことです。それ以来、何度も再演を重ねて来ました。僕が書いたお芝居の中で、これほど長く皆さんに愛されている作品は他にありません。
 「アパッチ砦の攻防」は不思議な作品です。再演を重ねるにつれて、登場人物が増えて行きます。そして、自分で言うのもなんですが、どんどん面白くなっていきます。初演には、主人公鏑木さんの奥さんは登場しませんでした。確か千秋楽の舞台を客席で観ていた時「これって、奥さんがマンションにやって来たら、ますます事態は混乱し、もっともっと笑えるようになるな」と思いついてしまい、B作さんにお願いして、最初の再演の時にホンを書き直したのでした。それからも、公演の度に少しずつ改良を加えていきました。そのうちに、鏑木さんの電話の相手としてしか登場しなかった愛人ビビアンの存在が気になり始め、「これって、ビビアンもマンションにやって来たら、ますますますます事態は混乱し、もっともっともっと笑えるようになるな」と思いついてしまい、何度めかの再演の時から、実際にビビアンを登場させることにしました。
 今年、僕は四本の新作舞台を発表することになっています。どれも笑いはありますが、コメディーではありません。僕は生涯喜劇作家のつもりですが、たまにはコメディー以外のものも書いてみたくなります。今はそんな年頃なのです。僕にとってのコメディーとは、すべての設定、すべてのシーン、すべての台詞が、笑いのためだけに存在している舞台のこと。つまりはこの「アパッチ砦の攻防」のような作品のことです。久々に台本を読み返してみて、(やっぱり、ただただ笑えるお芝居って、いいもんだな)と、改めて感じました。実はB作さんとはもう一本、ヴォードヴィルのために新作を書き下ろす約束をしています。次は「アパッチ~」を越えるような、思い切り笑えて、そして末長く愛されるコメディーをぜひ、作りましょうね、B作さん。
        三谷幸喜
 
staff
作:三谷幸喜
演出:永井寛孝(テアトル・エコー)
美術:石井強司
照明:宮野和夫
音響:石神保
衣裳:蓑田奈津美(東京衣装)
演出助手:添田忠伸
舞台監督:岡嘉洋
宣伝美術:烏井和昌
写真:加藤孝
宣伝ヘアメイク:森本美紀(ZOE)
宣伝協力:コードリー、文学座、清六企画、ぱれっと、エンパシィ、
       オフィスボードビル(長谷川英子・吉原由紀)
制作:劇団東京ヴォードヴィルショー(石井琴子・水渕歩知)
製作:(有)東京ヴォードヴィルショー

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