2011年3月15日火曜日

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場 第103回公演 「青ひげ先生の聴診器」

秋田雨雀・土方与志記念
青年劇場
第103回公演
 
「青ひげ先生の聴診器」
 
いのちをみまもるあたたかい目がそこにある。
 
作:高橋正圀
演出:松波喬介
 
美術:石井強司
照明:河崎浩
音響効果:菊池弘二
衣裳:宮岡増枝
舞台監督:荒宏哉
演出助手:板倉哲
宣伝美術:㈱アイデス・プランニング
医事考証:山本一視
製作:大屋寿朗
 
【出演】
小竹伊津子
藤井美恵子
葛西和雄
藤木久美子
名川伸子
広尾博
中谷源
伊藤かおる
杉本光弘
大木章
奥原義之
大山秋
相楽満子
江原朱美
蒔田祐子
矢野貴大
 
2011年3月4日(金)~13日(日) … 紀伊國屋サザンシアター
      3月14日(月)        … タワーホール船堀
 
【ものがたり】
 医師不足や赤字経営に見舞われ、閉院に追い込まれる病院も少なくない。ここ花里病院も例外でなく、三年前は閉院寸前の崖っぷちにあったが、住民自らが友の会を立ち上げて募金を集め、再建にこぎつけた。無類の人情家で病院内外での人望も厚い院長の存在も大きい。通称“青ひげ”。髭が青いわけではない。髭そり跡が青々とする為についた仇名である。「出前医療」にも積極的で病人はもちろん元気な人にも声を掛ける。「医者は病気を診るのは当然だが、それ以上に病人を作らないことだ」が信条。
 そこに、「神の手」と呼ばれる優秀な外科医の後輩が訪れる。医療ミスを訴えられて心が折れそうになったとき、青ひげに会いたくなったと。更に息子がやってきた。医師を志し、二年間の研修医を終えようとしている。小児科医を志望していた息子は、昨今の医療現場の様変わりで、進路に迷っていた……。
 
医療危機が叫ばれて久しい
 「ナース・コール」以来、再び医療問題を手がけるにあたって、さまざまな文献にあたり、テレビのドキュメンタリー番組を見た。確かに凄い危機が存在する。医者も看護師も足りないし、赤字経営は病院の存続を脅かしている。
 たまたま胆石が見つかって、入院する羽目になり、どこかに医療危機を感じる部分がないかと、毎日を取材のつもりで過ごした。しかし、点滴の針を刺すのが下手糞な若い医師に何度も痛い思いをさせられた以外、別段危機を覚えることはなかった。看護師さんは相変わらず明るくて親切だし、睡眠不足で欠伸をしている医者も見当たらない。潰れそうな危機は微塵もない。医療危機なんてどこにあるんだ?
 というお粗末な結論とともに退院した。ただ、最近は検査や手術に際して同意書をやたら書かされる。電子カルテになってから、医者は患者の顔をあまりみない。機器の発達で、聴診器すら当てられることがない。相互の信頼の糸がますます細っているような、そこにこそ大きな危機があるのではないかと感じ、今回は焦点をそこに当てようと思っている。  
            高橋正圀

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