平成24年11月6日(火)
17:00~17:55
新国立劇場小劇場
演劇『るつぼ』
シアター・トーク
司会:中井美穂
出演:池内博之、鈴木杏、宮田慶子
17:00
司会の中井美穂と宮田慶子が登場。
宮田:長い緊迫感のある芝居。ぐったりしているのでは。毎日ぐったりする。台本自体は重い内容。大変な芝居だが集中してやってくれと言っている。
中井:脚本はアーサー・ミラー。ジャパン・ミーツの7作目。何故アーサー・ミラーか。
宮田:ジャパン・ミーツ。開国以来外国の芝居と会って影響を受けてきた中でいつ取り上げても良い作品。アーサー・ミラー新国立制作として初登場。
中井:何故『るつぼ』か。
宮田:この作品は1950年代にレッドパージの騒動の中でハリウッドを巻き込んだなかでアーサー・ミラーも巻き込まれる。それに警鐘を鳴らしている作品。2年前に企画を立てたとき、たった一人の女の子のいたずらから村を巻き込んでいく騒ぎになる。そのとき人々は何を指針としていたのか。昨年の震災を経て、何が真実なのか、小さいものに振り回される、何かスキャンダラスなものに飛びつく、直ぐ忘れていく。稽古しながら色々なことを考えた。1692年の事例を題材にしている。
17:08
池内博之、鈴木杏が早めに登場。
宮田:ボストンの西側の話。1953年の芝居。アビゲールは実際は11歳(芝居では17歳)。プロクターは村はずれのはぐれもの。
池内:役作りは難しかった。稽古は40日ちょっと。夏の終わりに台本が届いた。最初文庫本で読んだが理解しずらかった。台本をもらっても分からなかった。夢でも悪夢を見た。しかし稽古の中で理解していった。台本はボロボロになった。
鈴木:難しい役。アビゲールは何も悪いことをしていない。純粋に男を好きになって大人に追い詰められていく。劇中で誰からも愛されない役は初めて。
宮田:男の立場でこんな女性に追いかけられたらつらいでしょう。
池内:2人(プロクター、アビゲール)には同じ価値観があったのだろう。
宮田:池内、鈴木さんとは初めてだが、前からやりたかった2人。
鈴木:宮田さんは凄く厳しい。目標がどんどん上がっていく。本番に入っても上がっていく。でもすごくやさしい。役者を良く観ている。それが嬉しい。分からないという事が言えるのが嬉しい。
池内:お母さん的な存在。
宮田:お姉さんと言って。
鈴木:怖いときは怖い。芝居から離れるといろいろ話ができる。
池内:お姉さんと思える(笑い)。細かいところまで教えてくれるので嬉しい。
中井:小劇場で20名は多い。池内さんと鈴木さんは劇団新感線で一緒ですね。
池内:しっかり意見を言いながらやっていける。
鈴木:つながっている。
宮田:楽屋が狭いのでよく話ができる。
宮田:装置については、話が濃密なので空間はシンプルに。舞台脇の跳ねあげで議論した。裏の傾斜も工夫した。覆いかぶさってくる印象を。衣裳は全員の背中に十字架が。衣裳には時代性を。実は裏返しになっている。十字架も裏がでている。むき出しになっている。殆ど染め直している。柔らかい色使い。ごわごをと織も甘く。
中井:讃美歌について。
宮田:村で皆が暗くしていたから起きた事件。アビゲールの両親はインデアンに殺される。イギリスからの移住、最近も飢饉があった地域、厳しい自然との闘い。ピューリタンは禁欲的。生活に耐えている。神にすがりたい、祈りたい願いが強烈。そこで讃美歌になった。皆で練習した。
鈴木:今日も朝から練習した。4部合唱。
中井:役をつかんだときは。
池内:最後の紙を破くところ。彼がさとった、目覚めた時。この過程の中で目覚めて行った。裁くのは自分だけ。
宮田:エリザベスとの夫婦の物語も大切。スープの味付けを自分で直しながら妻を褒める。妻に頼ろうとする気持ち、自分で決めろと言う気持ち。
中井:どこでアビゲールをつかめたか。
鈴木:ものすごく純粋な女の子。子供の時の両親の染んだ印象が凄く大きい。おじさんも子供に愛情をもたなかった。誰からも愛されなかった。凄くわかる気がする。かわいそう。抱きしめてあげたくなる。
宮田:2幕の森のシーンはあまり上演されていない。初演の時、幕が開いてから書かれたシーン。初演の時もやられなかった。あのシーンは日本では多分初めて。アリゲールは何も悪くない女の子。
鈴木:宮田さんの演出は学校みたい。良く教えてくれる。狭いコミュニケーションは怖い。今なら学校とか。いじめが怖い。
宮田:アーサー・ミラーは一人一人しっかり役を決めている。
17:55 終了
17:00~17:55
新国立劇場小劇場
演劇『るつぼ』
シアター・トーク
司会:中井美穂
出演:池内博之、鈴木杏、宮田慶子
17:00
司会の中井美穂と宮田慶子が登場。
宮田:長い緊迫感のある芝居。ぐったりしているのでは。毎日ぐったりする。台本自体は重い内容。大変な芝居だが集中してやってくれと言っている。
中井:脚本はアーサー・ミラー。ジャパン・ミーツの7作目。何故アーサー・ミラーか。
宮田:ジャパン・ミーツ。開国以来外国の芝居と会って影響を受けてきた中でいつ取り上げても良い作品。アーサー・ミラー新国立制作として初登場。
中井:何故『るつぼ』か。
宮田:この作品は1950年代にレッドパージの騒動の中でハリウッドを巻き込んだなかでアーサー・ミラーも巻き込まれる。それに警鐘を鳴らしている作品。2年前に企画を立てたとき、たった一人の女の子のいたずらから村を巻き込んでいく騒ぎになる。そのとき人々は何を指針としていたのか。昨年の震災を経て、何が真実なのか、小さいものに振り回される、何かスキャンダラスなものに飛びつく、直ぐ忘れていく。稽古しながら色々なことを考えた。1692年の事例を題材にしている。
17:08
池内博之、鈴木杏が早めに登場。
宮田:ボストンの西側の話。1953年の芝居。アビゲールは実際は11歳(芝居では17歳)。プロクターは村はずれのはぐれもの。
池内:役作りは難しかった。稽古は40日ちょっと。夏の終わりに台本が届いた。最初文庫本で読んだが理解しずらかった。台本をもらっても分からなかった。夢でも悪夢を見た。しかし稽古の中で理解していった。台本はボロボロになった。
鈴木:難しい役。アビゲールは何も悪いことをしていない。純粋に男を好きになって大人に追い詰められていく。劇中で誰からも愛されない役は初めて。
宮田:男の立場でこんな女性に追いかけられたらつらいでしょう。
池内:2人(プロクター、アビゲール)には同じ価値観があったのだろう。
宮田:池内、鈴木さんとは初めてだが、前からやりたかった2人。
鈴木:宮田さんは凄く厳しい。目標がどんどん上がっていく。本番に入っても上がっていく。でもすごくやさしい。役者を良く観ている。それが嬉しい。分からないという事が言えるのが嬉しい。
池内:お母さん的な存在。
宮田:お姉さんと言って。
鈴木:怖いときは怖い。芝居から離れるといろいろ話ができる。
池内:お姉さんと思える(笑い)。細かいところまで教えてくれるので嬉しい。
中井:小劇場で20名は多い。池内さんと鈴木さんは劇団新感線で一緒ですね。
池内:しっかり意見を言いながらやっていける。
鈴木:つながっている。
宮田:楽屋が狭いのでよく話ができる。
宮田:装置については、話が濃密なので空間はシンプルに。舞台脇の跳ねあげで議論した。裏の傾斜も工夫した。覆いかぶさってくる印象を。衣裳は全員の背中に十字架が。衣裳には時代性を。実は裏返しになっている。十字架も裏がでている。むき出しになっている。殆ど染め直している。柔らかい色使い。ごわごをと織も甘く。
中井:讃美歌について。
宮田:村で皆が暗くしていたから起きた事件。アビゲールの両親はインデアンに殺される。イギリスからの移住、最近も飢饉があった地域、厳しい自然との闘い。ピューリタンは禁欲的。生活に耐えている。神にすがりたい、祈りたい願いが強烈。そこで讃美歌になった。皆で練習した。
鈴木:今日も朝から練習した。4部合唱。
中井:役をつかんだときは。
池内:最後の紙を破くところ。彼がさとった、目覚めた時。この過程の中で目覚めて行った。裁くのは自分だけ。
宮田:エリザベスとの夫婦の物語も大切。スープの味付けを自分で直しながら妻を褒める。妻に頼ろうとする気持ち、自分で決めろと言う気持ち。
中井:どこでアビゲールをつかめたか。
鈴木:ものすごく純粋な女の子。子供の時の両親の染んだ印象が凄く大きい。おじさんも子供に愛情をもたなかった。誰からも愛されなかった。凄くわかる気がする。かわいそう。抱きしめてあげたくなる。
宮田:2幕の森のシーンはあまり上演されていない。初演の時、幕が開いてから書かれたシーン。初演の時もやられなかった。あのシーンは日本では多分初めて。アリゲールは何も悪くない女の子。
鈴木:宮田さんの演出は学校みたい。良く教えてくれる。狭いコミュニケーションは怖い。今なら学校とか。いじめが怖い。
宮田:アーサー・ミラーは一人一人しっかり役を決めている。
17:55 終了
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