2012年2月10日金曜日

東京藝術大学奏楽堂でオペラ『セルビャの理髪師(ハイライト)』を愉しむ。ブラヴォー

平成24年2月10日(金)
18:30~20:00
東京藝術大学奏楽堂 [入場無料]

中嶋克彦 博士学位審査演奏会
相田麻純 第2回博士リサイタル

Il Barbiere di Siviglia
[Highlights]
Gioacchino Rossini

中嶋克彦さんが、今回、博士課程における最後の学位審査演奏会において、この《セブリャの理髪師》を取り上げた大きな理由は、第二幕の終盤で伯爵によって歌われる<もう逆らうのはやめろ>という大アリアの存在。この曲を生で聴いたのは、新国立劇場の公演で、イタリア人テノールのアントニーノ・シラグーザの演奏だったとのこと。彼はロッシーニ・テナーとして今も世界の第一線で活躍し日本にも度々来日してロッシーニの歌を歌っている。中嶋さんは、その時、曲のすごさに驚いたのはもちろんだが、何よりこの曲を完璧に歌いこなした彼のテクニックの素晴らしさに大変感動し、いつか自分もこの曲を歌うことができたらと思ったことだったそうだ。

相田麻純さんは、約2年半、博士課程を休学してイタリアに留学し、ロッシーニに触れる多くの機会があり、その素晴らしさと難しさを改めて感じたとのこと。そんな中、中嶋さんの学位審査で《セビリャの理髪師》を取り上げることが決定し、ロジーナ役を依頼された。大学院のオペラ定期演奏会でも演じた役で、さらにロッシーニの音楽を勉強してきた今、同じ作品と再度向き合うことで得られるものがあるとの確信があり、今回自分の博士リサイタルとしても申請したとのこと。

今回は、ロジーナのアリアである<ああ、もし本当なら>も演奏に組み込むことにした。このアリアは、ロッシーニがジョセフィーヌ・マンヴィエル・フォドールというソプラノ歌手に書いたものとされている。このアリアと出会った相田さんは、舞台上で歌ってみたいという気持ちが溢れてきたそうです。メゾ・ソプラノではなかなか歌われない高温も出てくるのでとても難しく、心が折れそうになることもあったが、この曲の魅力に向き合って少しでも良い演奏にしたいと頑張ってきたそうです。

Gioacchino Rossini 1792-1868
Il Barbiere di Siviglia(Highlights)
セビリャの理髪師 ハイライト

指揮:佐藤宏充
演出:直井研二
ピアノ:山口佳代
舞台監督:賀川祐之

《キャスト》
アルマヴィーヴァ伯爵:中嶋克彦
ロジーナ:相田麻純
フィガロ:渥美史生
バルトロ:小迫良成
バジーリオ:小野和彦
フィオレッロ:杉浦隆大
ベルタ:首藤玲奈

合唱(テノール):梅田純伍・高橋達也・松浦諒・宮脇臣
(バス):大塚雅仁・滋賀勇太・氷見健一郎・横山浩平
稽古ピアノ:高木美来・田中健

<演奏曲目>
Atto Primo 第一幕
・No.1 Introduzione:Piano,pianissimo 「そぉっと、静かに」
・No.2 Cavatina:Ecco,ridente in cielo 「ほら、空はほほえみ」
・Seguito dell'introduzion:Ehi,Fiorello? 「おい、フィオレッロ?・・・」
・Recitativo:E desso,o pur m'inganno? 「あいつだ、いやそれとも人違い?」
・No.3 Canzone:Se il mio nome saper 「もし、貴女が私の名前を知りたければ」
・Recitativo:Oh cielo! 「ああ、どうしたことか!・・・」
・No.4 Duetto:All'idea di quel metallo 「その不思議な万能の金銭の姿を前に」
・No.5 Cavatina:Una voce poco fa 「今の歌声は」
・Recitativo:Ma bravi! ma benone! 「二人とも大変な奴らだ!だがいいだろう・・・」
・No.7 Duetto:Dunpue io son・・・ 「それじゃ私なの・・・」
・No.9 Finale!:Fredda ed immobile 「無表情で動かず」

~休憩 10分~

Atto Secondo 第二幕
・Reciativo:Ma forse,ahime,Lindoro 「おそらく、ああ、リンドーロ様は」
・No.14 bis Aria:Ah se e ver 「ああ、もし本当なら」
・Reciativo:Alfine,eccoci qua 「ああ、やっと着いた」
・No.16 Terzetto:Ah! qual colpo inaspettato! 「ああ、この思いも掛けぬ喜び!」
・No.17 Recitativo strumentaro:Il Conte! Ah,che mai sento! 「伯爵!・・・何だって!・・・」
・No.18 Aria:Cessa di pin resistere 「もう逆らうのをやめろ」
・No.19 FinalettoⅡ:Di si felice innesto 「こんなに幸せな想い出は」

キャスティングが素晴らしく、特に相田さんの歌声に酔いしれた。
夜なのにかなりの観客で混雑。
気持ちよく帰宅への道に。

1 件のコメント:

tugboat さんのコメント...

私も聴きました
相田さんよかったです
審査会聴く人も緊張とうきうき両方です
一曲一聴の恩義
出演者の演奏会、聴きに行くか口コミ宣伝をしてます