2010年11月17日水曜日

リーディング公演『T.ウィリアムズ一幕劇から』

新国立劇場 マンスリー・プロジェクト11月
11月17日(水)18:30~19:50
リーディング公演
『T.ウィリアムズ一幕劇から』
(「風変わりなロマンス」「話してくれ、雨のように」)
翻訳:鳴海四郎
演出:古城十忍
出演:演劇研修所第5期生
 
他者と理解し合うことの困難さ。人が根源的に抱える孤独。
テネシー・ウィリアムズが描き続けた普遍的なテーマに、若い俳優たちが挑む。
 
プロフィール
作・テネシー・ウィリアムズ(Tennessee Williams)
1911~1983。アメリカ・ミシシッピー州コロンバスに生まれ、セントルイスで育つ。39年に4つの一幕物でシアター・ギルド賞を受賞。45年の『ガラスの動物園』がブロードウェイで上演された第一作。続く47年の『欲望という名の電車』で劇作家としての地位を確固たるものにした。50年代も『やけたトタン屋根の上の猫』をはじめ話題作、問題作を発表し、ピュリッツァー賞、ニューヨーク劇評家賞ほか数々の受賞、表彰に輝いたが、61年の『イグアナの夜』以降は精彩を欠いた。83年、ニューヨークで薬瓶の栓を喉に詰まらせる事故により死去。享年71。
 
『風変わりなロマンス』 The Strangest Kind Romance
 指が震えるせいで工場勤めをしくじったイタリア人労働者は、下宿屋に住み着いた猫を可愛がり生きがいを見つける。人が人と結びつくことの困難さを、人と動物の<風変わりなロマンス>を対置することで逆説的に描く。
【初演】1960年、パリ、シャンゼリゼ劇場
【出演】小さな男          片桐レイメイ
    下宿の女主人       井上沙耶香
    老人(その義父)      大里秀一郎
    ボクサー           日下諭
    ニチェボ(猫)・ナレーター 岩田結
    警官             藤本強
    女の間借人         菊池夏野

『話してくれ、雨のように・・・』 Talk to Me Like the Rain and Let Me Listen
 失業し自棄になり泥酔した男と、惨めな境遇から出て行く架空の人生を夢見る女が、互いをいたわり合う風景を優しく描く。他者と真にふれ合うことの困難さと人間の孤独がさらに徹底して描かれた作品。
【初演】1958年、コネクティカット州ウエストポート、ホワイトバーン劇場
【出演】男              梶原航
    女              山崎薫
    ナレーター(男)      川口高志
    ナレーター(女)      北澤小枝子
 
スタッフ(研修生)
演出助手:林田航平 音響助手:織田瞳子 舞台監督助手:藤本強
演出部:菊池夏野、古川七彩
 
 新国立劇場小劇場での無料公演。リーディング公演とはいえ、演劇の醍醐味が良く分かる怖さがある。台本を見ながらの演技でも演者の緊張感が伝わってきた。
 細かいミスも散見されたが良く演じたと思う。登場人物が皆絶望的な状況にあるという設定の為、緊迫感のある芝居であった。
 演劇の面白さを教えてもらい、これからも劇場に足を運びたくなるこの企画を続けてもらいたい。
 

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