東京藝術大学
平成22年度 学内演奏会
作曲
平成22年11月30日(火) 14:00~15:40
奏楽堂にて
1.木下真一 Dave’s portrait
大久保成美 Flute
廣幡敦子 Bassoon
浜口大弥 Parcussion
大森優華 Double Bass
*パーカッション中心にファンキーな曲
演奏時間7分程度
2.森田花央里 Gray
グレイ
鈴木舞 Violin
仁田原祐 Piano
プログラムノート
琴線に触れる、言葉。それは日々の破壊。
7つの連なった楽想をもとに、構成されている。
1.heartstrings 琴線
2.words 言葉 ピアノの分散和音から始まる
3.Sympathy コラール
4.the destruction 破壊
5.regrets and the pain 後悔と痛み カント
6.longing あこがれ 回想
7.tears 涙 エピローグ
今回演奏してくださる鈴木 舞さんと仁田原 祐さんに、心より感謝します。
*演奏時間12分程度
深くしみる演奏
3.井上貴世子 Indelible memory
田中拓也 Alto Saxophone
森彩香 Violin Ⅰ
湯本亜美 Violin Ⅱ
山田麻実 Viola
山澤慧 Violoncello
内門卓也 Piano
北爪裕道 Conductor
プログラムノート
忘れたい過去の記憶。忘れたいはずなのに、ふと気づいたら無意識に思い出していたり、また、忘れようとすればするほど、脅迫観念のように自分を追いかけてきたり・・・そして、そうやって何度も繰り返し思い出しているうちに、心にしみついて忘れられなくなってしまう・・・この作品では、そんな人の心を描写しようと試みました。
曲は、まず4つの音(E,A,Cis,Fis)が弦のハーモニクスでかすかに鳴らされ、それに続くピアノのEの音の連打から始まります。
弦で曖昧に鳴らされた4つの音は、ピアノの連打に誘発され、曲のモチーフとしてはっきりと現れ、それは少しずつ形を変えながら、曲の中で何度も思い出されます。そして、思いは固定観念のように段々と頭から離れなくなり、最後には消すことのできない記憶になってしまいます。
*演奏時間10分程度
超絶技巧の演奏
(休憩)
4.工藤勇人 Women’s Adventures In Wonderland
松崎ゆり Flute グリーンの衣装
鈴木舞 Violin ピンクの衣装
梶彩乃 Harp ブルーの衣装
工藤勇人 Conductor 紺のシャツに黒ズボン
プログラムノート
『不思議な国の彼女たち…』
いや~女性とはなんて不思議な国の住人なんでしょう…みなさん、そう思いませんか?(笑)
今回演奏を引き受けてくださった3人の演奏家の方々が、偶然にも全員女性だったので、彼女たちがどんな曲をステージで演奏したらおもしろいだろうか、等と思いを巡らせながら書いた曲です。
Flute、Violin、Harp。美しくメルヘンなそれら3つの楽器は僕がもっとも「女性」を感じる楽器でもあります。とても相性の良いこれらの楽器のアンサンブルは、皆さんを不思議な国へと誘ってくれる事でしょう。(笑)
ちなみに、曲のストーリーと、今回の素晴らしい3人の演奏家の方々のパーソナリティとはなんの因果関係もありません。(笑)
各々の楽器に信じられない超絶技巧が要求され、アンサンブルに至っては気違い的に難しい作品となってしまいましたが、神業のテクニックと集中力で作品に向き合って下さった彼女たちにはただただ感謝です!
彼女たちの演奏を通して、今回、作品が音になる事を何よりも嬉しく思っています。
*演奏時間11分程度
本当に超絶技巧が必要
5.信澤宣明 三味線四重奏曲
佐藤さくら子 三味線
鈴木朝子 Violin
丸山萌音揮 Viola
袴田容 Violoncello
*演奏時間10分程度
三味線との組み合わせが新鮮だった
演奏後に作曲者が挨拶の為壇上に上がった時、三味線の佐藤さんが一人バックステージに帰ろうとして笑いを誘った。緊張していたのだろうか?
6.小林浩三 Scenes of the sea
都筑麻美 Flute
井沼綾乃 Clarinet
溝根伸吾 Horn
吉村涼 Bassoon
プログラムノート
今夏、とある田舎での半月ほどの生活が、この作品の原点になっている。
これまでずっと東京の都心に生まれ育ってきた私にとっては、そこでの体験の全てが新鮮であった。
空翻る雲を眺め、風の音を聴き、大地の鼓動を感じる…。
人間が本来当たり前に身を置くべき「自然」な環境が、堪らなく魅力的に思えたのは何故だろう……
滞在中、よく海を眺めに行った。そこで大自然が繰り広げた数々の幻想的光景は、今なお心に深く刻み込まれている。今回、その記憶の中のほんの断片を、五線紙というキャンバスに描いてみた。
海はまた、雄大である。それは都会に生まれ育った人間が決して知ることが無い価値観を、静かに語りかけてくれる。
海があって、空があって、大地がある。他には、何もいらない。
*演奏時間16分程度
海を感じた
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