2010年11月18日木曜日

旧東京音楽学校奏楽堂 藝大生による木曜コンサート 【作曲】


旧東京音楽学校奏楽堂
藝大生による木曜コンサート
第256回
【作曲】
平成22年11月18日(木)
開演 午後2時
 
現代音楽による室内楽
テクニックが必要な演奏が続くので
演奏者は大変
聴くほうも緊張感が必要
のどかな演奏が無いので
疲れた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
☆河田里奈:作曲
 「identity」 アイデンティティ
   ヴァイオリンⅠ 長尾春花
               第76回日本音楽コンクールヴァイオリン部門第1位
   ヴァイオリンⅡ 鈴木朝子
   ヴィオラ     中村翔太郎
   チェロ      矢口里菜子
作曲者からのメッセージ
何かが存在していくには、必ず他者との関わりがある。
共同体を形成していく中で、どう個性を発揮していくのか。
ここから「identity」は出発しました。
4人で1つの世界を作るという概念である弦楽四重奏において、あえて“1人1人”を意識し、Vn.Ⅰ Vn.Ⅱ Va. Vc. それぞれが違う特徴を持って始まります。
それらがだんだんと交錯しあい、混沌とし、喧騒へと化していく。
そしてその喧騒が中心に集まってきたところで、Va.のメロディーが提示されます。
その後は、四声部それぞれの特徴を1つずつ抜き出し、その特徴を4人全員で演奏することで、4つの違う世界を生み出しました。
それぞれのパートの個性、また世界の個性の移り変わりを楽しんでいただけたら幸いです。
 
☆林そよか:作曲
 Twilight 夕暮れによせて ~ ピアノ四重奏のための~
   ヴァイオリン  對馬哲夫
   ヴィオラ     橋本恵美
   チェロ      林はるか
   ピアノ      林そよか
 
作曲家からのメッセージ
「twilight」には、薄明・薄暮・黄昏、黎明などの意味があります。
夕暮れ・夜明け、どちらの意味も持つこの言葉ですが、私は黄昏時のなんとも言えない色の空、また短い時間でどんどん変化をとげる空をイメージして、以前から書いてみたいと思っていたピアノ四重奏の編成でこの曲を書きました。
 
☆戸部百合亜:作曲
 Jardin nocturne ー夜の庭園ー
   フルート    佐々木萌絵
   ヴィオラ    中村翔太郎
   ハープ     梶彩乃
 
夜の庭園
静寂に満ちあふれた夜の庭園。
いましがた、垣間見せた月は揺れている
金色のヴェールにつつまれて、流れるように軽く。
それは、近くにある様で、遠く隔たっている…
その容貌は泉の心に微笑みかけ
そして、陰は暗いオレンジの茂みの下で蒼白く染められる。
 
音のない、円い水盤の縁よりしたたり落ちる。
かすかな波の音のほか、
あるいは、目に見えない棕櫚の木の
間を吹き抜ける、夏の微風の青い身震いのほかは…
おお庭よ、わたしはそれを知っている、おまえの繊細な愛撫を
そして、おまえの気だるい想いと熱い官能を!
 
わたしは、おまえの興味つきない平和と、気むつかしさを知っている、
ゆりの香り、ジャスミンの、それから薔薇の、
欲望と倦怠によって、かき乱されたおまえの魅惑…
おお、口を噤んでいる庭!水盤の水は
かすかに、そして不思議な物音とともに滴る…わたしは聴く
夜の唇がうたう、この口づけを。
     ルネ・ドゥ・ビリモン
 
☆進藤綾音:作曲
 Blue Nude ブルーヌード
   指揮     進藤綾音
   フルート   尾形誠
   ファゴット  長哲也
   ハープ    大西香奈
   ヴァイオリン 松本さくら
   ヴィオラ    青野亜紀乃
   チェロ     山澤慧
 
作曲者からのメッセージ
Ⅰ.telling
音を発する、奏者。一楽章は、「奏者のエネルギー」に注目した楽曲です。
フレーズを受け継ぐという行為は、フレーズだけでなく奏者同士がエネルギーを受け継ぎ合うということになります。
絵も音楽も、言葉には置き換えられません。しかし、いつも私が両者から感じるものは言葉以上の、“生”です。
 
Ⅱ.re sound
一楽章とは対照に、演奏者のエネルギー(内的なエネルギー)ではなく、空気に放り出された音(外的なエネルギー)に焦点を当て、書いた楽曲です。
6人が織りなす様々な音色の変化をお楽しみください。そして、放たれた音の行方は・・
 
Ⅲ.merry step and roll
画家、Matisseの作品、Blue Nudeの女性。
踊り狂い、いつか底知れぬ穴へ堕ちてしまうのではないか。そんな不安とは、生きている上でいつだって隣り合わせにあるのかも知れません。
 
☆高橋宏治:作曲
 still growin’up!!! スティル グローウィン アップ!!!
   指揮     北爪裕道
   フルート   中川彩
   クラリネット 笹岡航太
   ファゴット  河崎聡
   ヴァイオリン 岡田紗弓
   チェロ     山澤慧
   パーカッション 入川奨
 
作曲者からのメッセージ
この曲は、はじけるような若さを表現したいと思い書き始めました。
チェロを中心にそれをサポートするヴァイオリン、そして、それらを取り囲む木管楽器(フルート、クラリネット、ファゴット)と打楽器という編成になっています。
自分の中にはないような音に憧れ、背伸びした部分もあると思いますが、若さを感じて頂ければ嬉しい限りです。
 
☆内門卓也:作曲
 「Interval for flute,violin and piano」
 インターバル フルート、ヴァイオリン、ピアノのための
   フルート   井坂実樹
     第6回ルーマニア音楽コンクール管楽器第2位(第1位該当なし)
   ヴァイオリン 景山昌太郎
   ピアノ     栗田菜々子
     第77回日本音楽コンクールピアノ部門入選
 
作曲家からのメッセージ
フルート、ヴァイオリンという普段最も身近な楽器に、私が作曲する上で重要な拠り所となるピアノを加えた編成です。
3人の奏者が、それぞれ自由な意思を持って演奏できるようにすることを頭に置き、作曲を進めました。
曲は、自由な三部形式。フルートのためらうような旋律ではじまります。やがて、ヴァイオリン、ピアノが加わり、複雑に絡み合います。
次に、複雑な拍子と単純な拍子が出てくる部分が交互に現れます。中間部分では、フルートはアルトサックスに持ち替え、またヴァイオリンは様々な奏法で演奏します。演奏者に一番自由な意思が求められるのがこの部分です。ピアノの短いカデンツァを経て、今度は前半とは順番を変えて、様々な要素が再現されます。
フルートのためらうような旋律の再現を経て、最後は決然と曲を閉じます。
 
☆綱守将平:作曲
 『Mosaic Note ~ for five players』 モザイク・ノート
   指揮      綱守将平
   フルート    窪田恵美
   クラリネット  前田優紀
   チェロ     西方正輝
   ヴィブラフォン 入川奨
   ピアノ      齊藤一也
 
作曲家からのメッセージ
今日、思想や技術の発展により現代社会はあらゆるモノの可視化が著しくなっていることは一目瞭然です。
しかし見たくないモノまで見えてしまう世界に僕は自分の体がついていけないような感覚を抱くことがあります。
それによって僕が個人的にたどり着いたのは、可視化させたモノを再び不可視化させれば良いのではないかなどという単純な結論であり、それはこのままこの作品のコンセプトとなっています。
この曲は、全曲を通してある一定の音型をある種のオブジェとして採用しています。
構成は、素材がバラまかれやがて堆積し飽和状態となっていくセクション、パズルの様に素材がピックアップされチェロによってオブジェの完成型(原型)が嫌味を込めて提示されるセクション、完成したはずのオブジェがゆっくりと簡潔奪胎され別の形で散乱し再び堆積し飽和していくセクションと、大きく三つに分けて考えることができます。
オブジェの不可視化(不可聴化)には多種多様な「モザイク」がかけられています。ビットの粗さや色使いなど「モザイク」そのものを楽しむことによって、見たいものを見る事ができた時とても新鮮に感じることができるのではないでしょうか。

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