2013年2月6日水曜日

『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』 新国立劇場オペラパレス 2013.2.5

平成25年2月5日(日)
新宿駅前から無料バスにのり
少し歩いて新国立劇場に
 

今日はオペラパレスの上演のみ
リヒャルト・ワーグナーの
『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』
 

S席は少し空きがあるようだが
安い席は完売
 

 
ワーグナーのオペラは本当に長い

 
ホワイエには
『さまよえるオランダ人』の舞台衣装が展示されている。


 
今回の『タンホイザー』は、
ワーグナー・イヤーの幕開けを飾る。
実は世界中でワーグナーの歌い手を奪い合い、ようやく少し早めに上演することで確保できたらしい。次のシーズンの演目にはワーグナーオペラが存在しない。今日観れたのは本当にラッキー。
中世のタンホイザー伝説とヴァルトブルク伝説に題材を取り、官能的な愛と精神的な愛の間で葛藤する騎士タンホイザーが、乙女エリーザベトの自己犠牲に救済される物語が描かれている。耳に残る名旋律が随所に散りばめられており、中でも有名な序曲、2幕の大行進曲、3幕の巡礼の合唱は雄大壮麗。エリーザベトの「歌の殿堂」、ヴォルフラムの「夕星の歌」らの名アリアも多く、ワーグナー作品の中でも高い人気を誇っている演目。
 
世界最高峰のワーグナー上演を約束する強力な布陣だ。
タクトを握るのは、13年夏にワーグナー『恋愛禁止』バイロイト初上演を指揮するトリンクス。
演出は、重鎮レーマンによる光と映像を効果的に用いた美しい舞台。
ソリストには、世界的に有名なヘルデン・テノールのアンセン、
欧米の主要歌劇場に次々とデビューしている新星ミラー、
新国立劇場でも大人気のツィトコーワら。
昨シーズン『ローエングリン』で賞賛された新国立劇場合唱団。
久しぶりのオペラ出演となる新国立劇場バレエ団にも注目。
(なお、当初タンホイザー役で出演を予定していたラーシュ・クレーヴェマンは芸術上の理由によりキャンセル。ハインリヒ役で出演を予定していた高橋淳は健康上の理由でキャンセル。)
 
今日は皇太子殿下も観劇。
 
第1幕
騎士タンホイザーは禁断の地ヴェーヌスベルクで、愛の女神ヴェーヌスと歓楽にふけっている。しかし時間の停止した世界での快楽も、いまの彼にとっては拷問でしかない。立ち去ろうとするタンホイザー、引き止めようとする女神。平行線をたどる二人のやりとりは「僕の救いは聖母マリアのうちにこそ」のひとことで断ち切られる。--場面が転換すると、そこはヴァルトブルク城を望む谷間。牧童が春の訪れを告げると、巡礼の一行が通りかかる。その歌声に心動かされた主人公は贖罪を誓うが、そこへ城から狩りの一行がやってきてタンホイザーを発見。その場を立ち去ろうとした主人公だが、かつての同僚ヴォルフラムの「エリーザベト姫のもとにとどまれ」のひとことで、ふたたびヴァルトブルクの世界へと引き戻される。
 
*序曲が印象的に演奏される中で徐々に光が立ち上がる印象的な演出。新国立劇場バレエ団が素晴らしい。タンホイザーとヴェーヌスの二人が素晴らしい歌声。次は舞台転換の後、ヴォルフルムの印象的な歌声。
 

 休憩に入り
マクドナルドのマックシェイクブルーベリーを飲む
110円(クーポン)
 

ホワイエ


第2幕
ヴァルトブルク城、歌の殿堂。エリーザベトとタンホイザーが再開の喜びを歌う。さて、この日の歌合戦の課題は「愛の本質を明らかにすること。ヴォルフラムが愛を「奇跡の泉」にたとえ「よこしまな気持ちで、それに触れてはならない」と主張すると、主人公は「渇きを癒すためには、迷わず泉に唇をつけよう」と反論する。この大胆なエロス賛美に人々は激怒するが、彼は耐えきれず<ヴェーヌス賛歌>を歌い上げ、禁断の地にいたことが露見してしまう。騎士たちは刀を抜いて主人公を抹殺しようとするが、姫は心に深手を負いつつも「信仰の勇気が、この人にも与えられますように」と願う。このとりなしによって、領主はタンホイザーに贖罪のためのローマ巡礼を命じるのだった。

*エリーザベト登場のアリア「愛の殿堂」が良い。歌合戦に向けた「入場行進」は壮観。感動した。タンホイザーの「ヴェーヌス賛歌」への流れが最高だ。




第3幕
ヴァルトブルク城を望む谷間。巡礼の一行がローマから帰ってくるが、そのなかにタンホイザーの姿はない。エリーザベトは、みずからの命と引き換えに主人公の救済を聖母に願う。そしてヴォルフラムは一人、姫が天使の群れに加わることができますようにと祈る。そこへ絶望したタンホイザーが現れ、ほかの巡礼者は教皇から罪を許されたが、自分だけが許されなかったと語る。主人公は絶望に駆られて「やさしい女神」ヴェーヌスへの道を探していたのだ。いまや狂乱状態になった彼の前に愛の女神が姿を表すが、ヴォルフルムが姫の名前を呼ぶと、ヴェーヌスは消え去る。エリーザベトの死によって救済されたタンホイザーは「エリーザベトよ、わがために祈れ」と叫んで息絶えるのだった。合唱が神の恩寵をたたえて幕となる。

*大感激。「タンホイザーのローマ巡礼行」という前奏曲から。エリーザベトの「エリーザベトに祈り」など魅力いっぱい。ワーグナーの魅力いっぱいのオペラだった。

18:30 終演
 
夕食は
荻窪駅前で
さかなやの親戚
あこうだいの粕漬け焼き定食
780円







R.ワーグナー

タンホイザー
とヴァルトブルクの歌合戦

全3幕/ドイツ語上演/字幕付
台本・作曲 リヒャルト・ワーグナー

指揮:コンスタンティン・トリンクス(ドイツ生まれ。今年は『タンホイザー』を4つの劇場で、バイロイト音楽祭初の『恋愛禁制』を指揮するほか、ウィーン国立歌劇場にもデビューする予定。)
演出:ハンス=ベーター・レーマン

美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
照明:立田 雄士
振付:メメット・バルカン
再演演出:シュテファン・ヨーリス
合唱指揮:三澤 洋史
音楽ヘッドコーチ:石坂 宏
舞台監督:大澤 裕

合唱:新国立劇場合唱団
バレエ:新国立劇場バレエ団
管弦楽:東京交響楽団

芸術監督:尾高 忠明

領主ヘルマン:クリスティン・ジグムンドソン<バス>
*アイスランド生まれ。新国立劇場初登場。
タンホイザー:スティー・アナセン<テノール>
*デンマーク出身。80年からデンマーク王立劇場専属歌手として活躍。世界でも多忙を極める人気ワーグナー歌手として世界中の歌劇場で活躍。新国立劇場初登場。
ヴォルフラム:ヨッヘン・タプファー<バリトン>
*ドイツ生まれ。ニュルンベルク歌劇場と契約。新国立劇場初登場。
ヴォルター:望月 哲也<テノール>
*東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。二期会オペラスタジオ修了。第70回日本音楽コンクール第2位。二期会会員。
ビーテロルフ:小森 輝彦<バリトン>
*東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。文化庁オペラ研修所第9期修了。平成12年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。二期会会員。
ハインリヒ:鈴木 准<テノール>
*東京藝術大学大学院にて音楽博士学位取得。松田トシ賞、アカンサス音楽賞、三菱地所賞受賞。二期会会員。
ラインマル:斉木 健詞<バス>
*国立音楽大学卒業、同大学院修了。二期会オペラ研修所マスタークラス修了。第78回日本音楽コンクール第3位。二期会会員。
エリーザベト:ミーガン・ミラー<ソプラノ>
*アメリカ生まれ。『影のない女』皇后で13年メトロポリタン歌劇場にデビュー予定。13/14シーズンは『死の都』に出演予定。
ヴェーヌス:エレナ・ツィトコーワ<メッゾ・ソプラノ>
*ロシア出身。G.フリードリヒに見出されベルリン・ドイツ・オペラの専属歌手となり、以来ザクセン州立歌劇場、ミラノ・スカラ座、マドリードのレアル劇場、バイロイト音楽祭などに出演。13/14シーズンでは『ヴォツェック』マリーに出演予定。
牧童:國光 ともこ<ソプラノ>
*武蔵野音楽大学卒業、愛知県立芸大大学院修了。新国立劇場オペラ研修所第3期終了。二期会会員。

4人の小姓:
前川 依子<ソプラノ>
*武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。新国立劇場合唱団メンバー。
渡邉 早貴子<ソプラノ>
*相愛大学卒業、同大学専攻科修了。関西二期会準会員。新国立劇場合唱団メンバー。
熊井 千春<メッゾ・ソプラノ>
*東京藝術大学卒業。新国立劇場合唱団メンバー。
長澤 美希<メッゾ・ソプラノ>
*昭和音楽大学短期大学部卒業。(財)日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第22期修了。藤原歌劇団準団員、日本演奏連盟会員、新国立劇場合唱団メンバー。

カヴァー:
斉木 健詞(領主ヘルマン)
成田 勝美(タンホイザー)
星野 淳(ヴォルフラム)
村上 公太(ヴァルター)
町 英和(ビーテロルフ)
与儀 功(ハインリヒ)
北川 辰彦(ラインマル)
田中 三佐代(エリーザベト)
並河 寿美(ヴェーヌス)
前川 依子(牧童)

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