2011年2月6日日曜日

新国立劇場にてオペラ「夕鶴」を観覧する


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
平成23年2月6日(日)
新国立劇場
14:00~16:20
 
*日本のオペラの代表的な演目で800回以上の上演回数を数える作品に違わず素晴らしい感動であった。日本のわらべ歌を交えながらシンプルな舞台装置の中で展開していく舞台に引き込まれた。初演は1952年1月30日ということであるが、約60年たっても魅力は失せていない。素晴らしい。
 
團伊玖磨(Dan Ikuma) 夕鶴(Yuzuru)
全1幕 日本語上演
作:木下順二(Kinoshita Junji
作曲:團伊玖磨(Dan Ikuma) 
指揮:高関健(Takaski Ken)
演出:栗山民也(Kuriyama Ken)
 
美術:堀尾幸男
衣装:植田いづ子
照明:勝柴次朗
振付:吾妻徳彌
児童合唱指揮:掛江みどり
音楽ヘッドコーチ:石坂宏
舞台監督:大澤裕
 
児童合唱(子どもたち):世田谷ジュニア合唱団
  ソロ:松本みなみ  加藤紀帆   八十川晶
     松浦寿來    加藤莉紗子  山崎美紀
     功刀香乃    白幡彩乃   脇屋敷美里
               畠山はなの
管弦楽:東京交響楽団
  コンサートマスター:高木和弘
 
芸術監督:尾高忠明
 
           <2月4日・6日>            <2月5日>
つう         釜洞佑子(Kamahora Yuko)   腰越満美(Koshigoe Mami)
与ひょう       経種廉彦(Idane Yasuhiko)   小原啓楼(Ohara Keiroh)
運ず         工藤博(Kudo Hiroshi)      谷友博(Tani Tomohiro)
惣ど         峰茂樹(Mine Shigeki)      島村武男(Shimamura Takeo)
 
あらすじ
第1場
 一面の雪の中に、ぽつんと一軒、小さなあばらや。家のうしろには、赤い夕焼け空。遠くから聞こえるわらべ歌。妻のつうを子どもたちが呼ぶ声で、囲炉裏端で眠りこけていた与ひょうが眼をさます。与ひょうは村人にはばかにされているが、働き者で子どもたちにも慕われている。留守のつうに代わりに遊んでやることにするが、その前に戻ってくるつうのために汁を温めようとする。そこにつうが現れるが、彼女も与ひょうに誘われ子どもたちと遊びにいく。
 つうの噂をしながら運ずと惣どが登場。運ずはつうの織る布が町で十両で売れたことを惣どに話した。惣どはそれが生きている鶴の羽を千枚抜いて織りあげる本当の千羽織であるなら、都では千両で売れるはずだという。金儲けをたくらむ二人はこっそり機屋(はたや)を覗き込む。そうすると、そこに鶴の羽を見つけたので、二人はつうが鶴の化身ではないかと疑う。二人が与ひょうにそのことで問い詰めると、与ひょうは以前に鶴を助けたことがあるというので、ますます確信を持つ。
 そこで運ずと惣どの二人は与ひょうをたきつけて、つうにもっと布を織ってもたい、都で高く売ろうと誘う。最初は渋っている与ひょうも金と都見物に心が動いてしまう。
 与ひょうが二人で夕食をしているときに、与ひょうはつうにもう一度あの布を織ってほしいという。つうはあの布を織るのは最後だと約束したはずだと断る。慾におぼれた与ひょうは、ついには「布を織れ」と叫ぶ始末であった。つうは、お金と都見物に執着する与ひょうの姿を嘆き悲しむが、とうとう布を織って与ひょうを都に行かせてやる決心をする。ただし、いつもと同じように布を織っている間は、決して機屋を覗かないということを約束させる。
 しかし、運ずと惣どは与ひょうの止めるのも聞かずに、機屋を覗く。すると機屋では、一羽の鶴が布を織っている。それを聞いて、つうとの約束を守って我慢していた与ひょうも結局中を覗いてしまう。鶴が一羽いるきりで、つうがいないことを知った与ひょうは、つうを探してうろうろと外へ出ていく。
 
第2幕
 翌日の夕方である。つうを探して雪の野原をさまよったすえ倒れていた与ひょうが運ずと惣どに介抱されている。そこに一晩と一日がかりでやっと織りあげた二枚の布を持って痩せ細ったつうが機屋から出てくる。そして「あれほど固く約束しておいたのに、あんたはどうして見てしまったの」と泣く。「あたしはもう人間の姿をしていることができないの。またもとの空へ、たった一人で帰っていかなきゃならないの」と別れを告げる。
 遊びに来た子どもが夕映えの中を飛び去る一羽の鶴を見つける。二枚の布を抱きしめる与ひょうは、つうの名前を呼び悄然と立ち尽くすのであった。
 
本日のキャスト
つう 釜洞佑子<ソプラノ>
Tsu:Kamahora Yuko Soprano
 神戸女学院大学音楽学部卒業、東京音楽大学研究科オペラコース終了。オペラ研修所第4期終了。
 82年度日本音楽コンクール第1位。東京音楽大学教授。二期会会員。
 
与ひょう 経種廉彦<テノール>
Yohyo:Idane Yasuhoko Tenor
 東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。オペラ研修所第7期終了。
 88年イタリア声楽コンクール金賞受賞。二期会会員。
 
運ず 工藤博<バリトン>
Unzu:Kudo Hiroshi Baritone
 東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。
 第5回日伊声楽コンコルソ第2位。第40回日本音楽コンクール第3位。
 第12回ジロー・オペラ賞受賞。二期会会員。
 
惣ど 峰茂樹<バス>
Sodo:Mine Shigeki Bass
 東京藝術大学大学院修了。二期会会員。 

0 件のコメント: