平成24年4月7日(土)
19:24~20.27
新国立劇場小劇場
「まほろば」
シアター・トーク
司会:中井美穂
出席者:
蓬莱竜也(脚本)
秋山菜津子(長女:ミドリ役)
三田和代(母親:ヒロコ役)
宮田慶子(芸術監督)
実はまだ公演は見ていない。来週の月曜日に観る予定。あまり知識がなく先にシアター・トークを聴くことになった。本当は見てから聴くほうが良かったと反省。
やはりあらすじは知っておいたほうが良い。
この作品は、生理、妊娠、閉経といった女性特有の身体の特徴を劇中でシンボリックに扱いながら、女4世代6人が“女性が結婚をし子を産み、育てていくこと”、“次世代へ命をつばぐこと”の赤裸々な本音をぶつけあう。物語の舞台は長崎の田舎町にある旧家。町の祭りの夜、宴会準備の忙しい最中に、前の晩には40台の未婚の長女ミドリ(秋山菜津子)が、そして今日は次女(キョウコ)の娘・ユリアが男関係に疲れて、相次いで東京から帰ってきた。自らが男子を産めなかった負い目から母ヒロコ(三田和代)は、本家のお家断絶を阻止するために長女ミドリに婿取りを容赦なく迫るが、ミドリは閉経したので無理だと言い、物議を醸す。家族が混乱するなか、今度はユリアが未婚のまま自分を産んだ母同様、不倫の果てに宿したお腹の子を産みたいと言い出して……。
蓬莱竜太氏は現在36歳。初演時は32歳。男性だけの劇団で脚本を担当しているので殻を破って女性だけの本を書きたくなった。演出の栗山最初に打ち合わせしたときに劇団の作品と違う方向にと話した。最初に秋山さんの出演が決まっていたので、生理が上がったと勘違いしている女性をイメージしてそれが面白そうなので進めることにした。
演出の栗山さんからは命についてを大きなテーマにしたいと言われていた。
母親は三姉妹でずーとおしゃべりが止まらない。しゃべくり倒す。
三田さんは、脚本を最初見てきょとんとしたとのこと。おばさんの役と聞いて引き受けた。ここまで日常的な芝居は初めて。日常的な物言いになっている。
秋山さんは、普段扮装する役が多いが、最初はセリフが短いので戸惑う・・・。日常は簡単なようで難しい。そこが挑戦する面白さ。女性が書いたならもっとウェットになっていただろう。
この芝居は、同時代というシリーズの1本で、若手の作家、ベテランの演出家のペアーという企画だった。
宮田:短いセリフが見事に無駄がないことに感心している。
秋山:初見のときはセリフが大変だった。
蓬莱:秋山さんが二日酔いだったら面白いと思った。
秋山:栗山さんにアイスノンと言われた。今度の芝居では4年物のアイスノンを使用している。
蓬莱:途中で脚本書きをちょっと日和そうになった。イメージで書いているのでどうやって書いたのか今日見てみてすごいい作品だと思った。生命力を感じた。再演にあたって演出家に言われて秋山さんのセリフを増やした。産まない人間の立場を言う事により産む人間の権利をはっきりと。
中井さんから秋山さんに:産まない女をリアルに演じている。4年たつと観る立場が変わってくる。
秋山:4年前はせりふを言うのが精一杯だった。前回は観念でしか分からなかったが、今回は実感できるようになった。そこにいる・・・、何気ないせりふ。ここまで何もしようとしていない芝居は初めて。
三田:一番印象に残っているのは、ど頭のせりふ「おかあさん、おかあさん」一番好きなせりふ。
蓬莱:直接物を言わないようにしようと思った。田舎で方言を大事にしようと。標準語で書いて方言に翻訳してもらった。永作弁。
三田:私は大阪生まれ、大阪出身。方言の指導をすごく受けた。
秋山:東京出身。最初は標準語で話しているが、途中から方言に変わる。
三田:方言のほうが角が取れるので良い。
蓬莱:最後の神輿が通り過ぎていくシーン。跨ぐをイメージして。赤い神輿が通っていく。
三田:男の客と女の客で笑うところが全然違う。女性にとってはシリアスだけど男性が笑ってくれるから良い。
宮田:男の視線で女を見ているので面白い。
蓬莱:普段から観察しているわけではない。調べすぎないようにしている。
等々。
和室の座卓を囲みながらの座談会。普段ないシチュエーションでの会話が面白かった。
芝居を観るのが楽しみだ。
質問タイムに5回以上この芝居を観たいという男性や、秋山さんの大ファンの中学生など熱気を感じた。
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