平成24年4月24日(火)
14:00~17:30
新国立劇場で日曜日に続いてオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を観覧した。
日曜日はチケットは全て売れ切れだったが、今日はS席等空席も見えた。
日曜日は4階の一番上だったが、今日は3階のL席だったのでかなりステージが近く見えた。
このオペラは、モーツァルトが31歳の1787年にプラハで初演された。モーツァルトのオペラの一作目は、『フィガロの結婚』、二作目が『ドン・ジョヴァンニ』となっている。
このオペラは、騎士長(アンナの父親)を殺害した主人公が懲罰としての地獄落ちに向かって一直線に突き進んでゆく過程を描いている。他のモーツァルトのオペラに見られない圧倒的な迫力、独特の凄みを持っている。明と暗が、生と死が、快楽と恐怖が交錯するなかで、魔神がのり移ったような音楽が、魅了し戦慄させる。
素晴らしい歌が続いている。
「お願い、教えてください」・・・エルヴィーラのアリア。
「カタログの歌」・・・レポレッロの有名な歌。
「手に手を取り合って」・・・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱。
「この嘘つきから逃げて」・・・エルヴィーラのアリア(短い曲)
「酒が頭に回るまで」・・・ドン・ジョヴァンニの「シャンパンの歌」
「さあ、窓辺においで」・・・ジョヴァンニのカンツォネッタ。「ドン・ジョヴァンニのセレナード」として知られる。
「ほら見て、愛しい人」・・・ツェルリーナのアリア。
「まずは私の大切な人を」・・・オッターヴィオのアリア。技巧的にかなり難しい。
「食卓の用意はできた」・・・フィナーレ。
一部を取り出しただけでも凄い歌が続いている。
ドン・ジョヴァンニ役のマリウシュ・クヴィエチェン(バリトン)はうまいのだが、もしかしたらコンディションがもう少しのところがあったのかも知れない。前評判が良かったので期待値が上がりすぎているのかも。
騎士長役の妻屋秀和(バス)は、いつもながら新国立劇場のオペラの常連。素晴らしい出来だった。
レポレッロ役の平野和(バス)は、素晴らしい活躍。
ドンナ・アンナ役のアガ・ミコライ(ソプラノ)は、期待通り。なんとなく歌が少ない役かもしれない。
ドン・オッターヴィオ役のダニール・シュトーダ(テノール)は歌唱力がある。
ドンナ・エルヴィーラ役のニコル・キャベル(ソプラノ)は存在感あり。
マゼット役の久保和範(バス・バリトン)は、良い出来だったと思う。
ツェルリーナ役の九嶋香奈枝(ソプラノ)は、この役柄にはまった演技と歌声で魅了した。
今日は終演後に友達と約束があり、フィナーレの歌を聴いてすぐに会場を後にしたが、本当はもう少しゆっくりと余韻を楽しみたかった。
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