2012年4月26日木曜日

新国立劇場で「負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-」を観覧

平成24年4月25日(水)
新国立劇場小劇場で
2004年N・Yブロードウェイで絶賛された問題作
「負傷者16名 -SIXTEEN WOUNDED-」
の日本初演を観覧した

写真は舞台模型



開演は14時。終演は16時45分頃。
客席は後ろのほうにかなり空席がある。
この演目は、芸術監督の宮田慶子さんが「日本未上演の海外同時代作品の中から、2004年にニューヨーク、ブロードウェイで上演され高い評価を受けたエリアム・クライム(ユダヤ人)作の「SIXTEEN WOUNDED」」を選び、常田景子さんの翻訳で宮田慶子さん自らの演出で日本初演となった演目だ。
オランダを舞台に、ユダヤ人のパン職人と偶然その店で働くことになったパレスチナ人青年との心の交流と葛藤を描いた作品。人間同士の本質的な愛情と、それでも越えられないそれぞれの民族の持つ歴史や互いの憎しみを描き、人種や宗教の壁を超えた人と人の繋がり、人間にとって本当に大切なことは何かを考えさせてくれる作品。
ブロードウェイのストレートプレイの奥深さを感じさせてくれた。
テンポよく展開されるエピソードの積み重ねからその都度ホロコーストやイスラエルとパレスチナ問題や民族同士の葛藤、宗教の問題など世界の今を考えながら舞台に引き込まれていった。
もっと自分も視野を広く世界に目を向けなければならないと感じさせられた。
最後の結末も衝撃的だ。本当は時限爆弾を破裂させる予定が、自爆テロになってしまう過程で色々なことを考えさせる。何が正解でどうすれば良いのだろうと考えても考えても良くわからない。奥が深い問題を扱った作品だと思う。
主役の井上芳雄はミュージカルで活躍しているが、ストレートプレイで一皮むけてもっと活躍する役者に成長するだろう。
見て損はない、見なければならない芝居と思う。

負傷者16人
ーSIXTEEN WOUNDED-

作:エリアム・クライエム Eliam Kraiem

翻訳:常田景子
演出:宮田慶子

出演:
井上芳雄
東風万智子
粟野史浩
あめくみちこ
益岡徹

2012年4月23日(月)-5月20日(日)
チケット料金   A席 5,250円 B席 3,150円 (Z席 1,500円)
新国立劇場小劇場


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