2012年4月26日木曜日

東京国立博物館で「ボストン美術館 日本美術の至宝」を観覧

平成24年4月26日(木)
東京国立博物館
「ボストン美術館 日本美術の至宝」

午後1時頃会場へ
雨模様だが多くの人が見に来ている


ボストン美術館は海外最大の日本美術を集めているとのこと


遠くにスカイツリーが見えている



アメリカのボストン美術館は、“東洋美術の殿堂”と称されている。100年以上にわたる日本美術の収集は、アーネスト・フェノロサや岡倉天心に始まり、今や総数10万点を超え、海外にある日本美術コレクションとしては、世界随一の規模と質の高さを誇っている。
今回は、その中から厳選された仏像・仏画に絵巻、中世水墨画から近世絵画、そして染織・刀剣まで、約90点が紹介されている。修復を終え、日本初公開となる曽我蕭白の最高傑作「雲龍図」をはじめ、長谷川等伯、尾形光琳、伊藤若冲などの名品が勢ぞろいしている。かつて海を渡った“まぼろしの国宝”とも呼べる日本美術の至宝が一堂に里帰りしている。

麗しのみほとけ
ボストン美術館はいわば海の向こうの正倉院。奈良・平安・鎌倉各時代の特徴をよく伝える仏教絵画が大切に守られてきた。
・「法華堂根本曼荼羅図」
奈良時代:8世紀。奈良時代の仏画としてだけでなく、東アジア絵画史の中でも貴重な作品。
・「普賢延命菩薩像」
平安時代:12世紀中頃。巧緻な洗練の中に生々しさがにじむ。平安仏画の傑作。
・「弥勒菩薩立像」
快慶作。鎌倉時代・文辞年(1189)。快慶の現存最初期の代表作。快慶の発願を示す経典も合わせて展示されている。

等伯、光琳、そして蕭白
長谷川等伯、雲谷等顔、さらには伝狩野永徳筆の屏風、そして、狩野探幽、尾形光琳、伊藤若冲など近世絵画のスーパースターたちの作品が一堂に。なかでも曽我蕭白の11点は、圧倒的な迫力。
・「雲龍図」
曽我蕭白筆。江戸時代・宝暦13年(1763)。今回の修復により公開が可能となった蕭白幻の代表作。世界に先駆けて日本初公開。
・「龍虎図屏風」
長谷川等伯筆。江戸時代・慶長11年(1606)。等伯68歳、晩年の作風を伝える代表作。
・「松島図屏風」
尾形光琳筆。江戸時代・18世紀前半。琳派の伝統を強い色彩と意匠化でダイナミックに表現した光琳の作品。

海を渡った二大絵巻
遣唐使吉備真備の活躍を面白く描いた「吉備大臣入唐絵巻」と、平治の乱を描いたドキュメンタリー絵画「平治物語絵巻」は、在外二大絵巻とされている。
・「吉備大臣入唐絵巻(部分)」
平安時代・12世紀後半。吉備真備が中国で活躍する4巻全長25メートルが一驚公開されている。
・「平治物語絵巻 三条殿夜討巻(部分)」
鎌倉時代・13世紀後半。淒惨な戦闘場面がドキュメンタリーのように描かれている。

静寂と輝き
中世水墨画の閑寂な世界と、元信ら、初期狩野派による金地金雲きらめく扇絵が楽しめた。
・「山水図」
祥啓筆。室町時代・15世紀末~16世紀初。自然の崇高さ、広大さが見事に表現されている。
・「金山寺図屏風」
伝狩野元信筆。室町時代・18世紀前半。狩野派による金碧図の最古の作例。日本初公開。

アメリカを魅了した日本の技
武家社会が終わりを告げた明治時代に、ビゲローたちは武士の象徴であった刀剣に魅せられた。小袖や能装束10領はいずれも日本初公開。

素晴らしい作品が並んでいるが、最も興味を持ったのは主に18世紀後半の伊藤若沖(いとう じゃくちゅう)や曽我蕭白(そが しょうはく)の作品。江戸時代の日本美術は本当に面白い。もう一度見てみたいと感じた。

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