2012年6月2日土曜日

新国立劇場 中劇場 演劇「サロメ」 シアタートークを聴く

平成24年6月2日(土)
15:08~16:12

新国立劇場中劇場で13時から演劇「サロメ」が上演されていて、その終演後に開かれるシアター特に出かけた。
上演時間は2時間弱と毎日新聞の演劇評に書いてあったので3時ころから行われるだろうと考えて早めに行くことにした。
2時20分頃に会場に着くと早くも行列が。並んで待っていたら、2時35分頃には終演の拍手が聞こえてきた。約1時間35分の上演なんだ。
シアタートークが開かれるが、かなり多くの客が帰っていく。2時50分頃にはロビーに入場し入場を待つ。3時前に今日1階に座っていた客が先に入りその後その他の客が中に入る。
前から4列目くらいの真ん中辺の席に座れた。

舞台を眺めたら大きな鏡が設置されていて、それを通じて舞台を見るような仕掛けがされていて興味深かった。白い床が鏡から見えるが壁が邪魔して調節には見えない。またオーケストラピットに水が入っており、作業員が水を掻きだし掃除をしていた。毎日きれいにしないといけないとのこと。

3時8分頃司会の中井美穂さんが登場。
その後、芸術監督の宮田慶子さんと、演出の宮本亜門が登場。
この企画は、まず宮田さんが宮本さんに話をしたら宮本さんが「サロメ」をやりたいと希望し宮田さんも前から思っていたので一気に話が進んだ。大正時代に増井須磨子が演じている。
宮田さんが『JAPAN MEETS・・・-現代劇の系譜をひもとくー』シリーズでは新翻訳で行っているので、ダメもとで平野啓一郎に翻訳を頼んでみたらOKが出て、凄い企画になっていった。
宮本さんは、神奈川芸術劇場で三島由紀夫の「金閣寺」「憂国」を演出しているがそこから「サロメ」に繋がっていったそうだ。古典的なやり方もあるが、サロメはどんな人だったか、オスカーワイルドは19世紀末の時代に反発して何を表現したかったのか考えながら演出したかった。

中井さんよりセットの話に。
宮本さん。中劇場の奥行きの広い舞台は演出家にとって使い方が難しい。今回はオーケストラピットに水を入れて良いと了解が得られた。普通はヨカラーンの姿をあまり見られないが生の人間で表現したいと思った。原作では水瓶の中となっている。鏡には大事な意味がある。神の視点。水=ナルシズム。最初に台本を見たとき想いと感じた。普通サロメはエキゾチックな肉感的なイメージがあるが、ワイルドは女性の自立を考えていたはず。
宮田、少女でなければならない。少女が自分の中に女を意識したときの戸惑い。平野さんに頼んだとき多部さんは決まっていた。平野さんはキャスティングを気にしていた。
宮本、フランス語版も英語版も台詞が凄くシンプル。現代的な衣装やセット。パーティーのシーンでは色々な人種がいて勉強が大変だった。

3時25分頃、奥田瑛二さんと成河さんが登場。
二人が挨拶。
奥田、ヘロドに近づくと同時にいつか自分の中に入れようとしている。なかなか近づけなかったが、ようやく今日くらいに近づけたかな。これからもっとよくなるから帰りにチケットをまた買ってほしい。
成さん、まんがで聖書を最初に読んで勉強することから始めた。聖書の勉強から材料をつかんだ。台詞を分析すると旧約・新訳の聖書をつなぎあわせてパロディーのようにやっている。キリスト教批判など。
宮本、原典(原点)を紐解く。ニーチェが神がいないと云った時代。サロメがある愛を言おうとしている。ヨナハーンが予言している。

3時36分頃多田未華子さんと麻実れいさんが登場。
奥田、稽古中は泣きたい気分、演出家をぶん殴りたい気分だった。
多部、サロメはユーチューブで見て、あまりに色気ぷんぷんなので戸惑った。なんで自分が?受けてしまってから。宮本さんの演出ならと思って受けた。台本はユーチューブと違って言いやすくなった。いまどきだなと思った。(官能的だとはあまり思わなかった)
サロメは変わった子。舞台が広くて大変。
麻実、変わった子のお母さん役。受けた後で大変だと思った。普通芝居は起承転結があるのだが、今回は、承転が省かれている。自分で母子愛を一本通して演じている。
多部、ヨカナーンの首はゴム臭い(宮本さんよりブログで書かないでと言われたので読まないで)。
ヨカナーンが水の中を歩いているのは成河さんの提案、宮本さんの望むところだったので実現。

質問時間に宮本さんに何故多田未華子を選んだのか?・・・回答:大好きだから!
4時12分頃終了。

終演後の中劇場ロビー

中劇場より出口に向かう


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