平成24年3月25日(日)
ホテルオークラ ロビーにて
第13回
ホテルオークラ音楽賞
受賞記念演奏会
18:00~19:00
受賞者
宮田大:チェロ、萩原麻未:ピアノ
無料で演奏会が聴けるとあって
物凄い混雑
ようやく隅に座ることができた。階段に。
サントリーの協賛で
シャンペンやオレンジジュースがサービスなのだが
大混雑で凄い。
ホテルオークラ音楽賞は
豊かな才能を持ち近年めざましい活躍をされ
今後の更なる活躍を嘱望される音楽家に贈られる。
過去の受賞者も錚々たる方々だ。
ジュネーブ音楽院を卒業したチェリスト宮田大が最初に演奏するのは、不世出のチェロの巨人パブロ・カザルス(1876-1973)編による「鳥の歌」。
もとはスペイン・カタリューニャ地方の民謡だが、1971年にニューヨークの国連本部でカザルスが平和への想いを込めて「私の故郷の鳥はピース(peace)、ピースと鳴きます」という演説とともに演奏した逸話でも有名で、哀切に満ちた曲調が万人の胸を打つ。
次にヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」から第1番のプレリュード。
長い間エチュードのように軽視されてきたこの作品の偉大な芸術性を“再発見”したのは他ならぬカザルスでした。遠く連なる山々のように雄大な音楽運びが印象的な楽曲。
そして20世紀の日本を代表する作曲家、黛敏郎(1929-97)が無伴奏チェロのために作曲した「Bunraku(文楽)」。
文楽における三味線と義太夫節の模倣を経て、その美意識を西洋音楽の中に昇華させた名作。
パリ音楽院で研鑽を積んだピアニスト萩原麻未は、ことし生誕150年を迎えるフランスの作曲家クロード・ドビュッシー(1862-1918)の「ベルガマスク組曲」を取り上げた。
1890年、28歳のときに書かれた作品で、数回の改訂を経て現在の形で出版されたのは1905年のこと。「ベルガマスク」とは「(イタリア北部の都市である)ベルガモ風の」といった意味ですが、ヴェルレーヌの詩の一節にある典雅な踊りをイメージしたとする説のほか、かつてベルガモに滞在した際の印象に由来するという説もあって真相は判然としません。
ただドビュッシーはこの組曲の中で古風な宮廷舞曲の形式や教会旋法を使っており、ある種のバロック的な感興を基に作曲が進められたことは間違いがないでしょう。
全部で4つの曲からなり、豊かな広がりとともに幕開きを告げる第1曲「前奏曲」、諧謼味をたたえた第2曲「メヌエット」、美しい情趣に彩られた有名な第3曲「月の光」、そして不思議な感傷を伴う第4曲「パスピエ」で構成されている。
そして今回、二人の貴重なコラボレーションとして、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)の作曲したモーツァルト「魔笛」の「恋をしる男たちは(恋を知るほどの殿方には)」の主題による7つの変奏曲が演奏された。
この変奏主題は歌劇「魔笛」の第1幕でヒロインのパミーナと鳥刺しパパゲーナが歌う美しい二重唱から採られており、モーツァルトの名旋律をベートーヴェンが変奏するという贅沢な“競演”の産物と言える。様々に移り変わる音楽の表情が楽しめる。
ホテルのロビーという雑音も多い環境だったが、二人の演奏に聞き惚れてしまった。無料で楽しめるなんて。
あまりの混雑に演奏中に体調を崩したお客も何人もいた。
好い演奏を楽しむには自分も体調を整えなければ。
演奏終了後のロビー
演奏の二人の記念撮影が行われている
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