2011年7月7日木曜日

2011年度 東京藝術大学 奏楽堂 モーニングコンサート 第7回 田川めぐみ:作曲、對馬哲男:ヴァイオリン

平成23年7月7日(木)
東京藝術大学
奏楽堂
モーニングコンサート



對馬哲男さんのヴァイオリン人気かほぼ満員数盛況。
田川めぐみさんはかわいかった。
對馬哲男さんはかっこ良かった。素晴らしい演奏。ブラボーの声援が多数飛んだ。
指揮は湯浅卓雄さん。
藝大フィルハーモニア。
客演のオーボエディートヘルム・ヨナス(リューベック音楽大学教授)の演奏が素晴らしかった。
大満足。

前半
◆田川めぐみ(4年) Megumi Tagawa
  田川めぐみ:Recollection (演奏時間約12分)

1988年生まれ、茨城県出身。
現在、東京藝術大学音楽学部作曲科4年在学中。学内にて安宅賞受賞。

プログラムノート
 ”recollection”には思い出、記憶、平穏という意味がある。私はそれらを自分自身の曖昧な時間としてとらえ、音に表現した。これは何か具体的なものではなく、あくまでも自分自身としてとらえ、音に表現した。これは何か具体的なものではなく、あくまでも自分自身の考える抽象的な時間のイメージである。
 人は1本の時間軸の上で、無意識にも「3つの時間」を抱えていつのだと思う。今現在の時間。未来を思い描く時間、過去を思い起こす時間、私は誰もが共有する1本の時間軸の上にその「3つの時間」を変化する。後半の一部分には時間のゆがみを描いたが、そこでも常に目に見えない一定のパルスが刻まれる。それは、皆が共有している今現在の1つの時間である。
 時間の感じ方はその時々によって異なり、人それぞれの時間の捉え方がある。交錯する時間の中、私は自身の時間という軸の上に、自由な構造で自由な音を並べた、それをオーケストラという媒体を通した”re-collection”として、再びその時間を拾い集めるようなイメージを感じ取っていただければ、と思う。

後半
◆對馬哲男 (4年) Tetsuo Tsushima
  J.ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 (演奏時間約40分)

5歳よりヴァイオリンを始める。
第22回かながわ音楽コンクールにて神奈川県知事賞並びに高校生の部最優秀賞。
第60回日本学生音楽コンクール高校生の部全国大会1位。
現在、東京藝術大学音楽学部器楽科4年在学中。

プログラムノート
 ブラームス(1833-1897)は、その生涯にヴァイオリン協奏曲を一曲しか手掛けていないが、ベートーヴェンやメンデルスゾーンに次ぐ3大ヴァイオリン協奏曲に位置づけられている傑作である。
 この協奏曲の完成には、当時の大バイオリニストで、親友でもあったユーゼフ・ヨアヒムの存在無くしてはあり得ないといっても過言ではない。ヨアヒムは技術的にも音楽的にも有益な助言を与え、協奏曲の進展に大きく寄与した。
 ブラームスは、当初のスケルツォを含む4楽章構成であったものを破棄し、新しいアダージョを挿入し、現行3楽章構成に改めた。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を受け継いだともいえる古典的でゆるぎない構成のなかには、同時代の他の協奏曲に比べ厚みのあるオーケストレーションを持ち、ブラームスらしい渋く味わいを感じさせる。

第1楽章 Allegro non troppo ニ長調 4分の3拍子
 ソナタ形式。
 管弦楽が冒頭で牧歌的な第一主題を示した後、二短調に転じて緊張感が高まったところで独奏ヴァイオリンが登場する。
 第二主題はピチカート伴奏に乗ってしなやかで抒情的に歌い上げる。

第2楽章 Adagio へ長調 4分の2拍子
 三部形式による緩徐楽章。
 オーボエがゆったりとした優美な序章を歌い、それをバイオリンが引き継ぐ。
 サラサーテがこの作品を演奏しない理由として「オーボエが旋律を奏でて聴衆を魅了しているというのに、自分がヴァイオリンを持ってぼんやりそれを眺めていることに我慢がならない」っと語ったと言われるほどの美しい旋律である。

第3楽章 Allegro giocoso,ma non troppo vivace 4分の2拍子
 自由なロンド形式によるフィナーレ。
 ハンガリー・ジプシー風の主要主題を軸にして組み立てられており、野性的で華やかな盛り上がりをみせて結末へと導く。 

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