平成23年10月22日(土)
高階秀爾さんは、本格的かつ綿密な美術批評を日本の文化のなかにもたらした、美術批評の第一人者であり、西洋美術館館長などを歴任、現在は大原美術館館長ととして活躍されている。
今日のテーマは、「日本的美意識とは何か」。
高階先生より、「秋の夜の虫の音は日本人には深い美的感興を呼び起こすが、西洋人には単なる雑音にしか聞こえないという。美術、文学、演劇などの芸術表現を通じて、日本人の美意識の特質を考える」という言葉が。
高階先生の「美術にみる日本人の美意識」によると ・・・「うつくしい」という言葉が、上代においては親しい人への愛情や、小さいもの、可憐なものに対する愛情をあらわす言葉であり、しかもそれが、やがて時とともに美的性質一般を意味するものに昇格して行ったという事実は、日本人の美意識が、主として自分よりも小さいもの、弱いもの、保護してやらなければならないようなものに向けられていたことを物語っている。このことは、西欧における美意識の根幹であるギリシャにおいて、美が何よりも力と結びついていたことを考えてみると、きわめて特徴的と言ってよい。
高階先生の講演は、スライドにより西欧と日本の様々な美術作品(絵画、彫刻、建物)を比較することにより具体的に日本的美意識を説明する本当に分かりやすい説明であった。無料で1時間半も説明をいただいて本当に有難い。 高階先生の本をじっくり読むことにしよう。
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