2011年10月10日月曜日

新国立劇場で『朱雀家の滅亡』千秋楽を観る

平成23年10月10日(月・祝)

今日は『朱雀家の滅亡』千秋楽。
開演前にチケットは完売。
キャンセル待ちが10人近く並んでいた。

この劇は、ギリシャ悲劇の名作、エウリピデスの『ヘラクレス』をベースに、太平洋戦争末期のある華族の滅亡を描く三島由紀夫晩年の名作。盲目的なまでに「国家」や「天皇」へ忠誠心を捧げることを信条とする男、その一方で対象的に現実を生き、愛し、生身をさらけ出す女が織りなす壮大な滅びの物語が、三島の流麗な文体にのせて描かれている。

出演は、
名門侯爵家の当主、朱雀経隆:國村隼
熱演だが、少し台詞がわかり辛かったかな。
女中おれい(本当は、経広の母親):香寿たつき
素晴らしい演技だと思う。宝塚出身の演技派。
経広の婚約者璃津子:柴本幸
良い演技。慶應大学を卒業。これからが楽しみ。
朱雀家の息子の経広:木村了
まだ若い。これからかな。
当主の弟、宍戸光康:近藤芳正
ベテランの味。脇役を無難にこなしていた。

ものがたり
時は、太平洋戦争末期。古くは天皇家に琵琶奏者として仕えていた朱雀家。
この名門侯爵家の当主、朱雀経隆は、専横な振る舞いを続ける首相を天皇のために失脚させたのち、
自らも辞職して宮中より帰還する。
息子の経広は、女中おれいや婚約者璃津子の反対を押し切って出征を願い出て、
叔父宍戸光康とおれいの説得も甲斐なく戦地へ赴き戦死してしまう。
おれいは、経広を無為に死に追いやった経隆を責め、彼の死を嘆き悲しむが......。
忠誠心とは、国家や大義とはいったい何なのか、ある華族の崩壊を通して問いかける。

作:三島由紀夫
演出:宮田慶子

美術:池田ともゆき
照明:室伏生大
音響:上田好生
衣裳:半田悦子
演出助手:松森望宏
舞台監督:澁谷壽久

芸術監督:宮田慶子
主催:新国立劇場

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