2011年8月1日月曜日

尾高惇忠 退任記念コンサート 東京藝術大学 奏楽堂 満員の客が楽しむ

2011年7月31日(日) 15:00~17:00

尾高惇忠 退任記念コンサート

東京藝術大学 奏楽堂



本来3月16日に予定されていたが、直前の東日本大震災で延期されていた退任記念コンサートが開かれた。
素晴らしい仲間の演奏を楽しんだ。
すべて尾高さんの作曲した曲。
現代音楽はテクニックが必要でなおかつ曲を良く理解して表現する。
今回の演奏者はさすが一流であった。

演奏者に対する尾高さんからの簡単な紹介。
廣野先生は“オルガンのためのエッセイ”を西ドイツで再演、そして出版に際しては監修をして下さった恩人。チェロの倉田は従姉ですが一緒にデュオも組む仲。横川さんはパリ時代からの悪友、野田さんは高校の後輩、横川さんの友人の十亀さんとは今回が始めてですが、野平さんはその昔、私のフーガのクラスに学生として顔を出していたことも有る人。とても親しい、そして心から信頼できる演奏者達に恵まれ、大変幸せなことと喜んでおります。

♬プログラム

オルガンのためのエッセイ Org.廣野嗣雄
1973年作曲、パリのノートルダム寺院で初演。

独奏チェロのための「瞑想」 Vc.倉田澄子
1982年、青山タワーホールでの日本現代音楽協会主催の演奏家シリーズ“倉田澄子チェロリサイタル”で初演。

歌曲
天の籠(かご) 立原道造 詩
甃(いし)のうへ 三好達治 詩
雪夜 伊藤整 詩
秋の日 高田敏子 詩
Ms.尾高綾子
Pf.尾高惇忠

ー休憩ー

ピアノソナタ
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ 楽章
Pf.野田清隆
2005年作曲、オペラシティ・リサイタルホールでの現音アンデパンダン展で野田清隆さんによって初演

二本のクラリネットとピアノのための「ディアローグ」
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ 楽章
Cl.横川晴児
十亀正司
Pf.野平一郎
2006年秋から冬にかけて作曲、翌2007年、東京文化会館小ホールでの「二宮和子クラリネットリサイタル」で
濱中浩一、二宮和子御夫婦とピアノの藤井一興さんによって初演。

二台のピアノのための「響演」
Pf.野平一郎
野田清隆
義妹、尾高遵子の友人、杉野順子さんの依頼により作曲、2006年、かん芸館における
「杉野順子・尾高遵子デュオリサイタル」で初演。

演奏者プロフィール
廣野嗣雄(オルガン)
1963年東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業。1966ー69年ドイツのヴェストファーレン教会音楽大学に留学。東京藝術大学名誉教授。

倉田澄子(チェロ)
桐朋学園付属高校在学中、日本音楽コンクール入賞。
同大学在学中にフランス政府給付留学生として渡仏し、パリ国立高等音楽院のチェロ科と室内楽科を首席で卒業。桐朋学園大学教授。

野田清隆(ピアノ)
湘南学園高等学校芸術コース、東京藝術大学、大学院修士課程を経て、博士後期課程修了。1995年第64回日本音楽コンクール第1位、井口賞、河合賞、野村賞。1998年クロイツアー賞。東京学芸大学准教授、ならびに東京音楽大学指揮科助手。

野平一郎(ピアノ)
1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程を修了後、フランス政府給付留学生としてパリ国立高等音楽院に、またIRCANにおいてコンピュータ音楽を学ぶ。作曲家としても80曲以上の作品がある。静岡音楽館AOI芸術監督。

横川晴児(クラリネット)
'68年に渡仏、ルーアン音楽院、パリ国立高等音楽院をともにプルミエ・プリを得て卒業。帰国後東フィルを経て'86年にNHK交響楽団首席奏者に就任。'10年2月同団を定年により退職。国立音楽大学客員教授。

十亀正司(クラリネット)
東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。1978年大学院在学中東京交響楽団に入団。同交響楽団首席クラリネット奏者として現在に至る。武蔵野音楽大学講師。東京藝術大学講師。

尾高綾子(メゾソプラノ)
東京藝術大学声楽科卒業、同大学院オペラ科修了。日本音楽コンクール入選。二期会会員、コンセール・C会員。

尾高惇忠
1966年東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。1970年パリ国立高等音楽院卒業。1971年東京藝術大学作曲科非常勤講師。1977年桐朋学園大学音楽理論科非常勤講師。1986年東京藝術大学音楽学部作曲科助教授。1998年東京藝術大学音楽学部作曲科教授。2011年3月退官。

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