2019年12月12日木曜日

「子宮頸がんワクチン 認知度低く」 毎日新聞夕刊にのる

2019年12月12日の毎日新聞夕刊の
どうすれば安全安心に
子宮頸がんワクチン 認知度低く
の記事がのる

子宮頸がんを予防する「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」は
接種費用が公費で賄われる「定期接種」の一つだ。
しかし接種後に全身の痛みなど健康被害を
訴える人が相次いだため、
国は6年前、積極的な接種勧奨を中止した。
70%以上あった接種率は今や1%未満と低迷。
ワクチンの存在すら知らない人が増えている。
「情報不足で接種機会を失わせてよいのか」。
勧奨再開か否か、国が方向性を示さない中、
実施主体である自治体の危機感は募る。
接種対象者に個別通知を送るなど、
独自に情報提供する動きも広がっている。

子宮頸がんは性交渉で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で、
子宮の入り口にがんができる。
大抵は免疫がHPVを排除するが、
感染状態が長く続くとがん化の可能性が高まる。
日本では年間1万人が発症し約3000人が死亡。
20〜30代で急増している。

ワクチンはHPVの感染自体を防ぐ。
世界保健機関(WHO)が接種を強く推奨し、
多くの国が導入しているが、
日本では定期接種化のわずか2か月後、
国が自治体に、接種対象者への個別の案内など
積極的勧奨を差し控えるよう勧告した。

情報不足は認知度の低下を招く。
厚生労働省が2018年10月、12〜69歳の
男女計2400人を対象に実施したアンケートでは、
ワクチンの効果について「知らない、聞いたこともない」
と答えた人が34%に達した。
また、12〜16歳の女子の45%が
「分からないことが多いため(接種を)決めかねている」
と答えた。

東京、神奈川、千葉など関東の4都県と5政令市で構成する
9都県市首脳会議は11月26日、ワクチンの取り扱いについて
速かに結論を示すよう厚労相に求めた。
国のあいまいな姿勢に業を煮やした格好だ。

HPVワクチンを巡る経過
2009年10月 厚生労働省がHPVワクチンを初承認
2009年12月 ワクチンの国内販売開始
2010年11月 接種費用の公費助成開始
2013年 3月 接種後に健康被害が出ているとして親や支援者が
         「全国子宮頸がん被害者連絡会」を設立
2013年 4月 予防接種法に基づく定期接種に
2013年 6月 厚労省が接種の積極的勧奨を中止
2015年 9月 186人が未回復との追跡調査結果を厚労省が公表
2015年12月 世界保健機関(WHO)が
         「日本は予防できるがんに無防備」
         と勧奨中止を批判
2016年 4月 日本産科婦人科学会など17団体が
         勧奨再開を要望
2016年 7月 健康被害を訴える女性らが
         国と製薬企業に損害賠償を求め
         4地裁に一斉提訴
2018年 1月 厚労省が安全性と有効性に関する最新状況を
         ウエブサイトで公表

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