2011年4月21日木曜日

NHK-FM 名曲リサイタル(若さの片田愛理:ピアノ、ベテランの岸本力:バス)

平成23年4月21日(木)

NHK-FM
名曲リサイタル 公開収録
 
片田 愛理(かただ あいり):ピアノ
    ●
岸本 力(きしもと ちから):バス
村上 弦一郎(むらかみ げんいちろう):ピアノ
 
司会
加羽沢美濃(コンポーザーピアニスト)
伊藤健三アナウンサー
 
収録:平成23年4月21日(木) 於:NHK509スタジオ
放送予定:平成23年6月4日(土) NHK-FM 19:20~21:00
 
大学1年生になったばかりの片田愛理と63歳の岸本力の対照的な二人の演奏を楽しんだ。片田愛理はパリでのコンサートを終えて、帰国した直後に入学した東京音楽大学で答辞を読み、7月には日本でのデビューコンサートを控えているという今後の活躍が嘱望される若手ピアニスト。しっかりとした自己主張を感じられる良い演奏だった。
バスの岸本力は、学生時代の苦労話(2浪して東京藝大に入学、1年生の冬に苦学から胃潰瘍を患い一度は声楽を諦めようと考えた)、また50歳以降の声帯の変化に合わせて歌い方を工夫してきた、昨年は半年声の調子が悪く歌えなかった等、今歌える喜びを体で表す熱唱だった。声楽家の苦労が良く分かる。またピアノの村上弦一郎さんも素晴らしい演奏。
 
Program
~前半~
 
片田 愛理 かただ あいり (ピアノ)
 
ウィーンの夜会           リスト作曲
  (シューベルトによるカプリッチョ風ワルツ)第6番
 
ひばり               グリンカ作曲
                 バラキレフ編曲
 
即興曲 変ト長調 作品51     ショパン作曲
 
マズルカ イ短調 作品7 第2   ショパン作曲
 
舟歌 嬰へ長調 作品60
 
~後半~
 
岸本 力 きしもと ちから (バス)
村上 弦一郎 むらかみ げんいちろう (ピアノ)
 
ドン・ファンのセレナード      チャイコフスキー作曲
 
春まだ浅いころ           チャイコフスキー作曲
 
舞踏会のざわめきの中で       チャイコフスキー作曲
 
聖なる顔をしっかりと持ち        ラフマニノフ作曲
 
黒い瞳                    ロシア民謡
 
ボルガの舟歌                 ロシア民謡
 
道                   ノーヴィコフ作曲
 
鶴                    フレンケリ作曲
 
歌劇「ボリス・ゴドノフ」から     ムソルグスキー作曲
 ボリスの死「さようなら、わが子よ~聞け、とむらいの鐘がなる」
 
***
加羽沢 美濃
 
バイオリンソナタ第3番 ハ短調 から 第2番
 
プロフィール

片田 愛理 (ピアノ)
2004年第5番若い音楽家の為のチャイコフスキー国際コンクール(倉敷)審査員特別賞。2005年第4回アルトバレフスカヤ記念青少年国際ピアノコンクール(露)第2位。2006年第6回スクリャービン国際ピアノコンクール(仏)15歳までの部第1位。2010年第16回ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)に最年少で参加、2次審査まで進みデュプロマ取得。今年4月にはフランス・パリのコルトホール記念行事にて海外で初のリサイタルを行った。今年4月に東京音楽大学に入学し、ピアノ演奏家コースに在籍中。
 
岸本 力 (バス)
1972年東京藝術大学卒業。1974年同大学院修了。1973年デビュー。1976年文化庁派遣在外研修員としてイタリア、オーストリアに留学。1977年ローマ・サンタテェチーリア・アカデミー修了。1972年日本音楽コンクール第1位。1974年チャイコフスキー国際コンクール(露)最優秀歌唱賞(日本男声で初)。1976年文化庁芸術祭優秀賞。1977年ジュネーヴ国際コンクール銀賞。また我が国におけるロシア音楽の第一人者として普及・振興に寄与した功績に対し、平成22年度文化庁長官表彰受賞。これまでに数々のオペラに主役級で出演。日本屈指のバス歌手であると同時に、ロシア音楽の第一人者として高く評価される。現在、二期会会員。武蔵野音楽大学講師。
 
村上 弦一郎 (ピアノ)
1971年、第40回NHK毎日音楽コンクール第1位を得、翌年日本ショパン協会の主催でデビュー。1973年桐朋学園大学卒業後、ルーマニアのブカレスト音楽院へ留学。各国のコンクールで上位入賞。1978年にはチャイコフスキー国際コンクールでファイナルディプロマをを獲得している。以後も、国内、ヨーロッパ各地でリサイタルをはじめ室内楽、各オーケストラとの共演、放送局での録音と幅広く活動。新作の発表にも意欲的に取り組んでいる。2005年2月、10月のリサイタル、ベートーヴェン交響曲「田園」「英雄」のトランスクリプションでも高い評価を受ける。2002年9月には、GEN室内楽団を結成し、国内での公演は10回を超える。2004年には渡欧し、ドイツ・ハイデルベルク公演、コンチェルトの夕べで好評を博した。ディヌ・リバッティ国際コンクール(ブカレスト)、日本音楽コンクールをはじめ数多くのコンクールでの審査員を務める。2000年4月~2001年3月ハイデルベルク大学客員研究員(ドイツ)。桐朋学園大学教授。日本・ロシア音楽家協会運営委員。

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