平成26年2月24日(月)
新国立劇場に朝の10時過ぎに
『アルトナの幽閉者』のZ席1,500円を購入。
バルコニーの一番端の席
1959年に発表されたサルトル最後の創作劇
難しそうな印象で臨む
上演は13時からなので新宿を散歩する
早めの昼食をサイゼリヤで
500円ランチ
舞台はこんならしい
『アルトナの幽閉者』
戦争と責任をテーマに、サルトルが描いた最後の創作劇。
「Try・Angle-三人の演出家の視点ー」シリーズの第三弾。
1959年に発表された、サルトル最後の創作劇で、『出口なし』『悪魔と神』と共にサルトルの三大劇の一つに数えられている作品。
第二次世界大戦後のドイツを舞台に、戦争中の心の傷から13年も、自宅に引きこもったままの主人公フランツを軸に、「戦争」と「責任」、さらには出口の見えない状況に「幽閉」された人々を描いている。
作品発表当時、アルジェリア戦争でフランス軍などがアルジェリア人に対して行った残虐行為を痛烈に批判するサルトルの思いが込められた問題作。
細やかな演出で人間を鮮やかに描き出す俊英、上村聡史の演出。
岩切正一郎による新翻訳。
12年『リチャード三世』での好演も記憶に新しい岡本健一。
新国立劇場初登場の美波。
確かな演技力で観客を魅了する辻萬長。
実力派キャストが火花を散らす究極の会話劇。
ものがたりは、1959年、ドイツ。喉頭癌に侵され余命6ヶ月と宣告された父親が、自らが営む造船業の後継者を決めるために家族会議を開くところから始まる。
(この場面は台詞があまり理解できずに眠気を振り払うことが出来なかった。)
次男で弁護士のヴェルナーとその妻ヨハンナ、長女のレニが参加する中、父親はヴェルナーに会社を継がせ、さらに自宅に住まわせようとするが、ヨハンナに猛反対される。一同の心に重くのしかかっているのは、長男フランツの存在。
彼は13年前にアルゼンチンに出奔、3年前に彼の地で死んだことになっていたが、実は第二次世界大戦中に、あることから心に深い傷を負い、以来、妹のレニの世話のもと、ずっと家の2階にひきこもったまま狂気の生活を送っていた。
フランツを愛する父親の望みは、長男との対面と、彼の世話を次男夫婦がすることであった。
この家族会議の場面から暗転して2階のフランツが登場する場面になるのだが、この辺りから岡本健一の演技に引き込まれていく。眠気が吹っ飛び会話を聞き逃さないように気を付ける。
休憩を挟んで後半は本当に面白かった。
サルトルの生きた時代を考える。
1960年代のサルトルの影響を思い出す。
議論好きの時代。
『アルトナの幽閉者』
2014年2月24日(月)
13:00~16:45
作:ジャン=ポール・サルトル
翻訳:岩切正一郎
演出:上村聡史
出演:岡本健一 美波 横田栄司 吉本菜穂子 北川響 西村壮悟 辻萬長
新国立劇場小劇場
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